「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏に経歴詐称疑惑
「中国で一番有名な日本人」と言われ、日中で多数の著書を刊行している国際コラムニストの加藤嘉一氏(28)が経歴を詐称していたことが分かった。
加藤氏は、高校卒業後、北京大学に留学しているが、「我考上了東京大学(私は東大に合格した)」(2010年3月、中国のインターネット番組『両会三人行』)と答えるなど、「東大に入学、もしくは合格したがそれを蹴り、北京大に留学した」との内容を複数のメディアで公言しており、また面識がある日本人記者や中国人ジャーナリストに対しても、同様の発言を繰り返していた。
週刊文春が加藤氏の母校の進路担当教諭に取材したところ、「加藤君は東大に合格していません」との回答だった。
加藤氏の経歴をめぐっては、他にも疑わしい点がある。
中国での著書では 、自身を「日本の公費派遣留学生」と記述しているが、日本での著書には「中国教育部の費用で留学した」とあり、明らかに矛盾している。
また、昨年より、日中両国の書籍で「北京大学朝鮮半島研究センター」研究員の肩書きを記載しているが、今年5月、中国の深セン(土+川)テレビ傘下のネット番組『中国時刻』が、北京大に同名の研究所は存在しないと報道した。
さらに、中国語書籍『中国的邏輯』には「慶応大学SFC研究所上席研究員」との肩書が記載されているが、実際は訪問研究員であり、「上席研究員」の職務に就いた形跡は確認できない 。
加藤氏に事実確認を求めたが、回答はなく、日本の所属事務所社長が「東大は合格していない。プロフィールにも書いてない。私たちは日本でのマネジメントであり、中国のことは知らない」と回答した。
現在、加藤氏は、「日中の架け橋になりたい」と中国の問題について積極的に発言する一方、ハーバード大学ケネディスクールにフェローとして在籍。雑誌の連載やBS朝日の番組「いま世界は」の特派員、日経新聞英字版のコラムニストを務めるなど、日本の大手メディアで活躍しており、今後の対応が注目される。