【北陸発】白山で群発地震 4時間で100回余り最大M2.5 注意深く監視必要石川、岐阜県境の白山(二、七〇二メートル)で、二十七日夜から二十八日未明に群発地震が起きていたことが、気象庁の観測で分かった。いずれも揺れを感じない震度0の地震だったが、その数は約四時間で百回余りにも上る。識者らは「一過性の現象か、噴火に直接つながる可能性があるのか、注意深く監視する必要がある」と話す。 気象庁によると、白山の中飯場(標高一、五四〇メートル)の地震計が観測。群発地震は二十七日午後九時ごろに始まり、二十八日午前一時までに計百八回を数えた。同日午前二時までの一時間に十回を確認したが、その後は一時間あたりゼロ〜三回と収束する傾向に。マグニチュード(M)は最大で2・5と推定している。 気象庁の担当者は「地震活動の兆候なのか、現段階では何とも言えない」と話している。今後は白峰(同五二七メートル)に設置した高感度の遠望カメラで山の表面の状態を分析するなど、推移を見守る方針だ。 白山の地震に詳しい金沢大の平松良浩准教授(地震学)は、二〇〇五年十月に白山直下で過去最大級のM4・5を観測し、〇八年八〜九月、〇九年一月にも群発地震が起きていると指摘、「危険性の有無をすぐに判断できないが、今後一〜二週間は慎重に見守る必要がある」と警戒を促す。 平松准教授によると、白山は百〜百五十年間の活動期と、三百〜四百年間の休止期を繰り返している。こうした歴史的なデータを踏まえ「少なくとも、いつ噴火してもおかしくない状態ではある」との見方を示した。 (前口憲幸) 群発地震 同じような大きさの地震が一定の時期、またはある地域で集中して発生する。火山の近くで多くみられ、一般に震源は浅く、小さな地震が連続的に起きるのが特徴。「本震」や「余震」などの区別はない。大きな規模の地震の予兆現象になることもあるといわれる。 PR情報
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