老舗ゲームメーカーと新興ゲームメーカー対決の行方は
名越 そうなんです。もともとゲームが好きで、スマホを持っているというユーザーは多い。みんなデバイスは持っているんだから、血眼になってユーザーを奪い合う必要はないと思っているんです。
武田 一部のファンとゲームを育てていけばいい、と。
名越 はい。そうすれば、ゲームはこれからも長生きできると思います。
武田 今後、老舗の本格派ゲームメーカーがソーシャル市場にどんどん進出してきそうですね。新興のソーシャルゲームメーカーとの対決の行方は、どうなっていくのでしょうか。
名越 状況としては、いわゆる家庭用の据え置きゲーム機が廃れていくと思っています。iPodなどの普及で、ステレオコンポが家庭からどんどんなくなっていったように、一度部屋に置かれなくなった物って、もう居場所がなくなるんですよ。ゲーム機はやがてそうなると思います。そこで、人々がメインにゲーム機として使い出すのが、タブレットPCだと予想しています。
武田 ソーシャルゲームはタブレットPC中心になる、と。
名越 はい。据え置きゲーム機とスマホの中間地点として、タブレットPCに集約されていくと思います。それが、僕の考える3年から5年後の予想図。タブレットなら、ムービーの見やすさも操作性も、スマホより格段によくなります。それに向けて、物語性の高い、ゲームとして骨のあるものが、ソーシャルゲームにも多く出てくるはずです。
武田 そうなると、名越さんのフィールドになってきますね。
名越 課金重視のゲームにハマっているユーザーに、もっとおもしろいものがあるよと伝えるべき時期が来たんじゃないかと思っています。ゲームは所詮、娯楽であり、暇つぶしです。それでも僕らは、人生の1ページになりうるおもしろさや感動を提供できるという、自負があります。
武田 新旧ゲーム屋対決。その行方に目が離せなくなってきました。
※この対談の後編は、11月13日(火)に配信予定です。
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序 章 冒険に旅立つ前に
第1章 見える人と見えない人
第2章 インターネット・クラシックへの旅
第3章 ソーシャルメディアの地図
第4章 企業コミュニティへの招待
第5章 つながることが価値になる・前編
第6章 つながることが価値になる・後編
終 章 希望ある世界