というか、やっぱり無罪じゃないか!
釈放して強制退去って。誤認逮捕の国家補償は必要だろう!
無罪の人間を15年間もいわれなく不法監禁しやがって。なんだこの国は!
わたしへの苦情は dokusha@excite.co.jpへ。
2005-05-10
■朝っぱらから思ったこと
上のバナー、サイズ間違えてるジャン。
今更ながら duke で掲示板が潰れますか。スゲー、スゲーよ。アングラこぇ〜よ。
というか、なんとなく全体的に懐古趣味が漂ってますか?
昨日の文章が「切れの悪いウンコみたい」って言われた。
人間、本当の事を言われるとへこむか怒るかするもんだ、フギー。
■スウェーデンは犯罪大国か?
相変わらず、林道義の文章を読んでいるのですが。「六 離婚と犯罪の比例関係──スウェーデンの国家的破綻を直視せよ」という項目に。
犯罪数が人口当たりアメリカの四倍、日本の七倍。強姦が日本の二〇倍以上、強盗が一〇〇倍である(武田龍夫『福祉国家の闘い』中公新書、二〇〇一年、一三四ページ)。なんとスウェーデンという国は世界に冠たる犯罪王国なのだ。
という記述があり、どうも実感とかけ離れているので色々と調べてみた。
国名 | 警察人員 (%) |
警察予算 (%) |
犯罪率 (%) |
殺人 (件/10万人) |
強姦 (件/10万人) |
強盗 (件/10万人) |
麻薬 (件/10万人) |
贈収賄 (件/10万人) |
日本 | 0.18% | 0.22% | 1.92% | 0.50件 | 1.78件 | 4.07件 | 22.24件 | 0.08件 |
スウェーデン | 0.18% | 0.13% | ... | ... | ... | ... | ... | ... |
オーストラリア | 0.21% | 0.02% | ... | 1.57件 | 81.41件 | 121.43件 | ... | ... |
カナダ | 0.18% | 0.02%* | 8.04% | 1.59件 | 78.08件 | 87.70件 | 285.54件 | ... |
アメリカ合衆国 | ... | ... | ... | ... | ... | ... | ... | ... |
国名 | 年次 | 人口 | 犯罪率 | 最も多い犯罪 | 件数(件/10万人) |
日本 | 02 | 127,435,000 | 2.3% | 窃盗 | 1871.13件 |
スウェーデン | 01 | 8,909,128 | 13.35% | 窃盗 | 1323.90件 |
オーストラリア | 00 | 19,153,840 | 7.48% | 窃盗 | 6653.18件 |
カナダ | 01 | 31,081,887 | 8.57% | 窃盗 | 2758.26件 |
アメリカ合衆国 | 01 | 284,796,887 | 4.16% | 窃盗 | 3804.58件 |
(オーストラリア、カナダ、合衆国を抜き出したのはポピュラーで治安の実感が掴みやすいのではと思ったから。主観的な判断ですけどね)
資料1-3 日本と世界各国の1995〜2000年の罪種別の犯罪発生率
1995年 | 1996年 | 1997年 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
認知数 | 認知率 | 認知数 | 認知率 | 認知数 | 認知率 | |
スウェーデン | 251 | 2.84 | 278 | 3.14 | 228 | 2.57 |
日本 | 1130 | 0.9 | 1046 | 0.83 | 1137 | 0.9 |
1995年 | 1996年 | 1997年 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
認知数 | 認知率 | 認知数 | 認知率 | 認知数 | 認知率 | |
スウェーデン | 1363 | 15.43 | 1255 | 14.19 | 1302 | 14.71 |
日本 | 1500 | 1.20 | 1483 | 1.18 | 1657 | 1.31 |
1995年 | 1996年 | 1997年 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
認知数 | 認知率 | 認知数 | 認知率 | 認知数 | 認知率 | |
スウェーデン | 5747 | 65.08 | 5821 | 65.83 | 6641 | 75.04 |
日本 | 2277 | 1.82 | 2463 | 1.96 | 2809 | 2.23 |
- 色々な意見
犯罪に関する基本意見 2(犯罪対策について)[2005年01月06日(木)](rnalength ちょっとした異論)
「3.人権、人権というから世の中に異常者が増えるのだ」について(略)
ある人は「北欧は犯罪率が高い(スウェーデン13.6%など)」ことを挙げています。その根拠となる表を見ると、ペルーは驚くべき事に0.61%、ブラジルは0.93%、コロンビア0.41%です。で、日本は2.3%、香港は1.0%、フランス6.7%です。ここでいう「犯罪発生率」が、治安度を反映していないように見えます。また、もしここで人権保護が犯罪発生率に相関すると仮定すれば、人権保護をしている大きさが「スウェーデン>>フランス>>日本>香港>ブラジル>ペルー>コロンビア」となります。なんか変です。ちなみに、別の資料で、殺人発生率は「コロンビア>>>ブラジル>>韓国・スウェーデン・フランス>>日本」だそうです。犯罪が発生しないところでは殺人発生率が高い?どういうことなんでしょう。
これでは、人権保護と犯罪発生の関連を言うには「ばらつき」が大きすぎ有意とは言えません。確かなことは言えませんが、これはおそらく別の要因が関与していると考えるべきと思います。
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上記資料について見直したところ
「犯罪率=刑法犯罪認知件数÷総人口」とありました。
「認知件数」とは、警察が把握できている犯罪数のことで、実際の犯罪数ではありません。
おそらくその辺が強く影響しているのではないでしょうか。
なお、この統計の引用下はICPO(国際刑事警察機構)だそうです。
・スウェーデンの犯罪
アンナ・リンド外相の殺人事件で、The Observerはスウェーデンの犯罪件数は比較的多いと載せた。2年前に出た日本のある新書においても、スウェーデンの犯罪は多いと載っている。両者の根本的問題は、インターポールの数字は比較資料としては使えないということを理解していないことである(なお日本の新書は原典を明記していないが、インターポールの数字がもととなっていると思われる)。私は犯罪学の専門家ではないが、犯罪統計における一番の問題は統計の比較性の問題である。具体的には国によって何を犯罪に含むかが異なり、また統計の取り方が異なる。たとえば強盗殺人を強盗と殺人2件として扱うか、殺人として扱うかが国によって異なる。同様にして何時の時点で統計に含むかも異なり、未遂事件の取り扱いや、最終的に事故として結論付けられたが殺人事件として警察に訴えが為された事件の取り扱いも異なる。このようにして、インターポールの統計では2001年度のスウェーデンの殺人は892人となっているが、実際は167人で、5.5倍になる。犯罪率についてもこのような誤解があるものと思われる。(2003年9月28日記)
なんとなく、実態はそれほど悪くないのではないかって気がする。
少なくとも、何かを導き出せるほど確かな差異は無いのではないかな?
「高福祉社会が家庭の崩壊をもたらし、家庭の崩壊が犯罪発生率を上げる」っていうのは、印象論の枠をでないようだ。
話の出元である。
- 暴走する「スウェーデンは犯罪大国」論
Google で「スウェーデン 犯罪率」で検索。これ、検索結果 約 22,900 件
例えば一例。
日本精神と教育の再建を大野城市から!(と、訴える)大野城市議会議員:いかるが卓徳
(ここにも居るか、るいネット)
- ここから「印象操作」っぽい。
「件名:皇太子殿下のご発言を考える」(北欧文化協会理事長 武田龍夫 世界日報)
「世界日報を宣伝する知識人Up00/07/01」
(渡部昇一も居るな(笑)。ここに名前を連ねているからって「工作員」だなんて即断はしません、単なる「印象操作」です)
■以上のことから
まず、そもそもなぜわたしは「スウェーデン犯罪大国論」に疑問を持ったか。
なぜなら、犯罪の発生率と家族制度の崩壊が易々と関連付けられるとは思えない。
家族制度などというものは各国家、各民族が、それぞれの歴史、宗教、文化を背景に形作るものであって、そのありようが単純な比較になじむとは思えないし、犯罪の発生率についても同様に様々安背景要因が考えられる。これら複雑な背景を持つものの関連性を立証するのは容易なことではないだろう。
上記のように、「スウェーデン犯罪大国論」は充分に疑わしい。もっとも顕著な事例はポピュラーな犯罪である「窃盗」の「件数」であって、これは日本が逆転している。また、この「件数」も「発生件数」であるとは断じることができない。
確かに「優性保護」ともいえる非人道的な事例以降、スウェーデンの神話は崩れているのかもしれない。また、高福祉高負担の社会民主主義的な選択はわたしの価値観とは相容れない(相容れないんだよ)。けれども、いやしくも一国を「犯罪大国」呼ばわりするに当たっては慎重な検討が必要となるだろう。社会において責任と品位を保つべき者がこの単純な常識をかなぐり捨ててよいわけがない(と、常識も品位もない匿名投稿者から指摘されてどうするんだろうか)。
また、ここにも「情報のフィルタリング」という作用がある。
己の主張に対して傍証となるものには耳を傾け、反証となるものからは目を背ける。
武田龍夫の勇み足があちらこちらで参照、引用されていくなかで、やがてあたかも事実であるかのごとくに一人歩きを始める。「情報リテラシー」の初歩を踏み外している。
(戸塚宏の脳幹論と、コンラッド・ローレンツの関係、そして勝手に(敢えていうと妄想して)ありもしない権威をでっち挙げた石原慎太郎やその劣化コピー、有象無象よりはまだマシかもしれないが)
こういった「妄想の神話」がどのような社会を紡ぎ出していくのか。
…ライブドアの株価が300円を越して(下手をすると、6年間無配なんだろ)
国家財政破綻の間際ではずかしげもなく後代にさも偉そうに「国家」を語り、憲法を創ろうと…。
「恥」という概念を失っているのはいったい誰なんだろうか。
■追記:教化されえない性質をもった哲学
リンクを辿って、全然別の話題を追っかけていたら「プロパガンダ」と「コンラッド・ローレンツ」というキーワードで面白い文章にぶつかった。
あとがき ──チョムスキーのメディア批判(チョムスキーにまつわる流言飛語/チョムスキー・アーカイヴ)
このようなプロパガンダ分析は、どうやら危険視されるものらしい。コンラート・ローレンツは『人間性の解体 第2版』で興味深い歴史を紹介している。(略)教化されえない性質をもった哲学を創ろうという、賢明な試みは失敗に終わったのである。
プロパガンダは、陰謀のようなものが働かなくとも簡単に流布する。(略)これが「マニファクチャリング・コンセント」と呼ばれるプロパガンダの機能である。プロパガンダにのみこまれないためには、徹底的に自分で事実を確認すること、そしてせめて自分が信頼できる情報源を確保しておくことだ。これを忘れてはいけない。プロパガンダにのみこまれたら最後、ひとはどんなに非人間的なことにでも荷担してしまう。
事実にはそうそう驚くような事はない。大抵は陳腐で当たり前の事なんだろう。しかしそんな事実ではヒトは動かない。なのでプロパガンダは驚かせる、そして恐怖させ、怒りをかきたてる。その恐怖の対象へ、ヒトはどのような非人間的な攻撃でも容認できてしまう。