巨大ハリケーン接近で米株式市場は30日も休場、大統領選にも影響

2012年 10月 30日 04:49 JST
 
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[29日 ロイター] 米国東部沿岸に接近している巨大ハリケーン「サンディ」により、29日に引き続き30日も米株式市場が休場になるなど、影響が広がっている。

また大統領選挙が8日後に迫るなか、オバマ大統領と共和党のロムニー候補がともに遊説を取りやめるなど、政治面での影響も出ている。

米国立ハリケーンセンターによると、29日米東部時間午後2時(日本時間30日午前3時)ごろ、サンディの中心部はニューヨーク市の南南東約285キロの沖合いにあり、北東に向かって時速44キロのペースで移動している。

29日夕方にも東部沿岸に上陸するとみられているが、その後は勢力を弱め、前線、もしくは低気圧になるとみられている。

<株式市場休場、NY連銀はオペ延期>

サンディの接近を受け、NYSEユーロネクスト(NYX.N: 株価, 企業情報, レポート)は、29日に引き続き、30日も株式取引を停止すると発表。31日は状況次第で再開するとした。

30日は、米株式、債券、オプション・デリバティブ(金融派生商品)の各市場と合わせ、当該市場が休場となる。

ナスダック市場を運営するナスダックOMXグループ(NDAQ.O: 株価, 企業情報, レポート)も、ナスダック株式市場とその他のナスダックOMX傘下の米取引所の取引を30日も停止すると発表した。

米株式市場が全面的に休場となるのは、2001年9月11日に発生した同時多発攻撃以来。

また、米金融・債券市場は29日は半日取引となった。

さらに、ニューヨーク連銀は、ハリケーンの接近で多くの米金融市場が休場となっていることを受け、30日に予定している国債買い入れオペを延期すると発表。

30日は、2036年2月から2042年8月までに償還を迎える国債、17億5000万─22億5000万ドルを買い入れるオペを実施する予定だった。

NY連銀は、国債の売却・買い入れオペは31日には再開されるとの見通しを示している。

一方、労働省は10月の米雇用統計を予定通り11月2日に発表する意向を持っていると発表した。

<影響は大統領選挙にも>

ホワイトハウスはこの日、オバマ大統領は30日に予定していたウィスコンシン州での遊説を取り止め、ワシントンでハリケーン対応にあたると発表。

声明で「大統領は30日、ワシントンにとどまり、ハリケーン『サンディ』の影響を注視しつつ対応する」とした。

ロムニー共和党候補も29日夕にウィスコンシン州で、30日にアイオワ、フロリダ両州で予定していた遊説を取り止めると発表した。

これら3州はサンディの予測進路からは外れているが、オバマ大統領が「サンディ」への対応に注力することを理由に遊説を中止していることもあり、選挙運動を継続することで国民に「無神経」との印象を与えることを避けたい考えとみられる。

<交通機関にも影響>

サンディの接近に伴い、橋梁やトンネルが閉鎖され、アムトラックが東海岸の運航をほぼ全面的に運休するなど、影響は交通機関にも広がっている。

米政府は首都ワシントンで働く職員のうち、非常事態に関連していない職員を自宅待機としている。

 
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「サンディ」、米東部に上陸

ハリケーン「サンディ」が29日夜、米ニュージャージー州南部に上陸。投票が迫った大統領選挙活動にも影響が出ている。
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10月29日、米国東部沿岸に接近している巨大ハリケーン「サンディ」により、30日も米株式市場が休場になるなど、影響が広がっている。写真はコネティカット州で同日撮影(2012年 ロイター/Michelle McLoughlin)

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