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放送内容


10月29日(月)

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メインテーマ放課後の居場所がない!?


出演者

専門家ゲスト:汐見稔幸さん(白梅学園大学 大学長)
ゲスト:山口もえさん(タレント)、 内藤剛志さん(俳優)
リポーター:塚原泰介アナウンサー


共働きやひとり親家庭の子どもたちが、放課後の時間を過ごす“学童保育”。仕事などで家にいない親たちにとっては、安心して子どもを預けられる場所として欠かせません。
しかし、その学童保育に申し込んでも入れない待機児童が増加し、7500人になったと、先月厚生労働省が発表。さらに全国学童保育連絡協議会では、“地域に学童保育がない”など、必要なのに行けない子どもを含めると、その数は50万人になると推定しています。原因は、働く女性の急増に、“学童保育”の整備が追いついていないためですが、子どもの小学校入学を機に仕事を辞めざるを得なくなった人も出てきています。いわゆる「小1の壁」です。
そもそも“学童保育”の設置は各自治体の“努力義務”とされ、保育所のような実施義務はありません。そのため自主的に学童保育を設置する親たちや、子どもを預かるサービスを始めた民間企業など、民間主導で動かざるを得ない状況になっています。
その一方で、子どもたちがもともと遊んでいた「校庭」や「友達の家」「公園」などの状況も変わってきています。子どもを狙った犯罪が目立つようになる中、安全のため集団下校を求められる学校、家が汚されるのを嫌う家庭、公園での遊び声がうるさいといった近隣からの苦情など、子どもたちの居場所そのものがなくなってきています。
番組では、親にとっては悩みの尽きない“子どもの放課後”の実態を通して、“学童保育制度”の課題、子どもたちの放課後を地域で見守ろうという新しい取り組みなど、詳しく紹介しました。

“働く女性の増加”と“足りない学童保育”

子どもを狙った犯罪が目立つようになり、子ども一人で外遊びに行かせるのは不安という中、共稼ぎ世帯、ひとり親世帯にとって、小学生の子どもを放課後、安心して預けられる場所といえば“学童保育”です。しかしその学童保育が必要なのに、入れない子どもの数は、推定で50万人にのぼるともいわれています。

「共稼ぎ世帯」(労働力調査・総務省)

平成22年:1,012万世帯

「ひとり親世帯」(国民生活基礎調査・厚生労働省)

平成22年:318万世帯

学童保育の利用者数・84万人(全国学童保育連絡協議会調べ)

小学1年生の利用率・27パーセント(全児童÷利用者数/全国学童保育連絡協議会 調べ)

学童保育の待機児童・7,500人(厚生労働省発表)

学童保育を必要としている子どもの数・推定50万人(全国学童保育連絡協議会 推定)
※低学年の子どもの数と6時間以上働く母親の数から割り出したもの。

満杯の学童保育

自治体によって状況は異なりますが、取材した横浜市のある地域では、各小学校区に“学童保育”はなく、3校区から一か所に集中し、利用する子どもの数が増えたため、満杯の状態になっていました。
番組では90人近くの子どもたちに5人の指導員では目が行き届かない、という不安を感じた保護者たちが、学童保育の新設に乗り出す様子を紹介しました。

学童保育の運営主体(全国学童保育連絡協議会)

・公立・・・40パーセント
・父母会など・・・31パーセント
・社会福祉協議会・・・11パーセント
・その他・・・18パーセント

学童保育に関する児童福祉法(第21条の10)

「市町村は、児童の健全な育成に資するため、(中略)放課後児童健全育成事業の利用の促進に努めなければならない」

「小1の壁」

子どもを保育所に預けて仕事を続けてきた母親が、その小学校入学時に子どもの預け先が見つからないことを「小1の壁」と呼びます。番組では、この壁に阻まれ、仕事を辞めざるを得なくなった女性を紹介しました。
※また、児童福祉法の中には「おおむね10歳未満の子ども」を対象という条文があり、小学4年生に進級する際には、学童保育にいられない「小4の壁」というものがあります。法律の改正で「10歳未満」の条文はなくなりましたが、施行は平成27年からです。

遊べない公園・友達の家

番組の調査で、東京23区の公園では「野球・サッカー」などの球技を、原則禁止していることが分かりました。“ボールが小さい子どもやお年寄りにあたって危ない”という理由のほか、“子どもの声がうるさい”といった理由からです。
また自宅で遊ぶことについての紙芝居は、番組アンケートにお答えいただいた方のお話をもとに作成しました。

学童保育に乗り出した民間企業

全国的に学童保育が足りない中、沿線に若い世代を呼び込もうという鉄道会社、大手予備校、塾、医療法人などさまざまな企業が学童保育の運営に乗り出しています。
番組では、その中の一例をご紹介しました。

株式会社キッズベースキャンプ

住所:〒154-0015 東京都世田谷区桜新町2-10-12ガリレアM202
電話:03-5426-3123
ホームページ:http://www.kidsbasecamp.com

放課後子どもプラン推進事業

放課後の子どもの居場所づくりのため、文部科学省と厚生労働省が協力して、学校の空き教室などを利用した「放課後子どもプラン推進事業」を進めています。これは平成19年度から本格的に実施されているものですが、夕方5時まではすべての子どもたちを対象にした「校庭開放」。夕方5時から夜7時までは、空き教室にいさせる「学童保育」です。しかし、このプランを実施するには、学童保育に適した空き教室が必要になってきます。空き教室が見つからず、なかなか整備が進まない自治体の様子を紹介しました。

主婦が行う学童保育・地域で支える子どもの居場所

全国的に学童保育が足りない中、自宅や一軒家を借りて、学童保育を始める人たちもいます。番組ではその中の一人、横浜市で一軒家を借り、学童保育を開いている主婦を紹介しました。
(小栗ショウコさんは、保育士・幼稚園教諭の資格と免許を持ち、NPOを立ち上げ、学童を運営しています)
また千葉県習志野市・秋津地区では10年前から、子どもたちの放課後の居場所を作ろうと、地域の人たちが学校の空き教室を借り、得意の分野を生かした教室を開くなどの取り組みを始めています。

あっとほーむ

住所:〒224-0015 横浜市都筑区牛久保西3-2-7
電話:045-911-9502
ホームページ:http://www.npoathome.com


視聴者のみなさまへ
番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
製品・サービスの特性や使用上の制限、契約内容・条件などについては、各自におかれまして、メーカーや販売会社に十分ご確認ください。

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