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“月のうさぎ”は巨大隕石の跡
10月29日 14時8分

月の表面にある、うさぎの形をした直径3000キロにも及ぶ盆地が、巨大な隕石(いんせき)の衝突によってできたことが、月の石の成分の分析によって証明されたと、産業技術総合研究所が公表しました。
これまでの仮説を裏付ける研究成果として注目されています。

分析を行ったのは茨城県つくば市にある独立行政法人、産業技術総合研究所で鉱物資源の探査などを行っている中村良介グループ長の研究グループです。
研究グループは、月に隕石などが衝突した際に熱が発生して地殻やマントルが溶け、冷え固まる過程で生成されたとみられる「低カルシウム輝石」と呼ばれる鉱物に注目しました。
そして月の探査衛星「かぐや」が、平成21年までに月面の7000万か所で得た観測データを独自に解析して、「低カルシウム輝石」が多く分布する地域を調べたところ、「プロセラルム盆地」と呼ばれる、うさぎの形をした直径3000キロにもおよぶ月面で、最大の盆地とほぼ重なることを突き止めたとしています。
研究グループは「プロセラルム盆地」が、長さが数100キロもある巨大な隕石が衝突した痕跡だとする、これまでの仮説を裏付ける有力な証拠だとしています。
この研究成果は29日、イギリスの科学誌、「ネイチャージオサイエンス」のオンライン版に掲載されています。

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