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教授 平野 千果子(ひらの ちかこ)

■略歴

 江戸生まれのあずま女です。大学はとりあえず人並みに過ごしたつもりでしたが、20代は会社勤めをしたり、フランスに「遊学」したり、放浪の時期を過ごしました。振り返ってみればこれまでに、パリに3年、関西に5年、東海地方に7年と「七五三」を東京の外で暮らしたことになります。武蔵大学には2001年4月に着任しました。私自身の21世紀の歴史は、武蔵大学と切り離せないものとなりました。

■主要著作・論文・研究活動など(5点以内)

 フランスを中心とした植民地や帝国の歴史を研究しています。このテーマの勉強をしていると、世界中の時間の旅、空間の旅を、本を通してすることができます。
(1)『フランス植民地主義の歴史』(人文書院、2002)は、フランスによる植民地支配の通史です。奴隷制廃止の時代から今日までを「文明化」という言葉を軸に通観しました。
(2)『近代フランスの歴史』(共著、ミネルヴァ書房、2006)では、植民地の歴史の部分を担当し、大航海時代にまで遡るフランス植民地支配の歴史を5世紀にわたって追いました。
(3)「交錯するフランス領アフリカとヨーロッパ-ユーラフリカ概念を中心に」(『思想』1021号、2009)は、ヨーロッパ統合の歴史にフランス領アフリカが密接に関連した側面を、「ユーラフリカ」という言葉を通して戦間期から1950年代までを扱いました。
(4)「フランスにおけるポストコロニアリズムと共和主義-植民地史研究の地平から」(『思想』1037号、2010)は、英語圏発のポストコロニアル思想がフランスではどのように受容されているのかを、フランス共和主義との関連で考えました。
(5)『岩波歴史講座・東アジア近現代通史第7巻 アジア諸戦争の時代』(共著、岩波書店、2011)では、第二次世界大戦後のインドシナ戦争を担当し、それがどう戦われたのか、だれが戦ったのか、そして今日フランスではどう記憶されているのかをまとめました。

■専門・所属学会・その他前年の主要社会活動

 日本西洋史学会、日仏歴史学会などに所属しています。

■メッセージ

 私は旅が大好きです。知らないところに行って、いつもとちがう空気を吸うと、本当に脳の細胞が活性化されるようです。学生のころはアルバイトをしては、旅に費やしていました。今では研究もかねて、フランスの旧・現(?)植民地めぐりをしたいと思っています。フランスの支配はアフリカからアジア、南米にも及びましたし、イギリスが支配したインドにも、フランスの風情が色濃く残る街があるのですから、まさに世界一周の旅になるはずです。ちなみに今から100年ほど前、フランスの中学生用の地理教科書に、こんな問題が載りました。「すべてのフランス植民地を通って世界一周をするには、どのようにまわればよいか。ただし同じ所を二度通ってはならない」。時代はもちろん変わりましたが、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。

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