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少しだけ改稿しました。
(本格的改稿は後日実施します)
第3章.逃亡編
第3章.逃亡編:第17話「裏切り、襲撃、死闘」
 シュバルツェンベルクへの出発の朝、早朝にギルド前に集合し、護衛任務を開始。

 カスパーから、パーティメンバーの、ユルゲン、アルフォンス、ベルト、ギーナを紹介される。

 ユルゲンはドワーフの男で身長130cmくらい、がっしりとしたドワーフらしい体つきだが、髭の間から見える表情は、意外と愛嬌があり、親しみやすい雰囲気の斧使い。

 アルフォンスはエルフの男で身長180cmくらい、すらりとした体つきの二枚目。沈着冷静な雰囲気を持つ。長弓使いであり、治癒魔法も使える。

 ベルトは、人間の男で身長185cmくらい、鋭い目つきで俊敏そうな動きを時折見せる革鎧の槍使い。

 ギーナは、人間の男で身長175cmくらい、最年少22歳。人懐っこい丸顔だが、ハーフプレートを装着し、カイトシールド、ロングソードを使う前衛だそうだ。

 ギーナを含め、このメンバーで6年間一緒にやっているそうだ。
 ソロのメンバーはスカウトのカール、両手剣使いのルイス、弓使いのマルコ、 槍使いのライナーだそうだ。

 商人の代表は、ルーブレヒトという30代前半の男性で、いかにもやり手の商人と言った感じだ。

 午前7時に荷馬車10台とともに出発。カスパーのパーティと俺以外は馬を持っていないので、荷馬車に分乗している。俺は荷馬車の列の真ん中辺りを分担し、周囲を警戒しながら進んでいく。

 初日はクロイツタール領内だったので、何事も無く第一中継地に到着。ソロメンバーの技量に不安があるのと、裏切りを心配しているのだろうか、夜の荷馬車の不寝番はカスパーのパーティメンバーとソロメンバーが1人ずつの組で回していく。

 2日目も早朝に出発。山道の厳しさも増していき、荷馬車の速度は上がらない。
夕方頃、急に暗くなり、にわか雨が降りそうな天気になったが、間一髪、宿泊予定の村に入ることができ、難を逃れた。

 3日目になると益々山道は狭くなり、曲がりくねった道、生い茂る木々のため、視界が制限されていく。時折聞こえてくる魔物の叫び声に馬たちが神経質そうに耳を動かしている。
 昼過ぎに夕立が降ったが、20分ほどで止んだため、予定通り宿泊場所に到着。カスパーとルーブレヒトの話を聞く限り、順調に進んでいるようだ。

 4日目は朝から黒い雲が広がり、出発して2時間ほどで強い雨に降られる。その日の雨はなかなか止まず、2時間ほど雨宿りをして再出発する。昼過ぎにも強い雨が降り、更に2時間足止めを食う。

 カスパーが護衛を集め、

「このままでは、今日の目的地に明るいうちに着くことは無理だ。ここから2マイルほど行った所に夜営地に向いている場所があるので、今日はそこで夜営する。夜営地到着後に各自の分担をもう一度指示するから、集まってくれ」

(今日は久しぶりの野宿か。護衛がこれだけいれば大丈夫だろう)

と久しぶりの夜営にやや不安を感じたものの、カスパーたち高レベルの冒険者がいることから少し油断していた。

 午後5時頃、カスパーのいう夜営地に到着。
 夜営地は峠を下った森の中にあり、近くに湧き水があり、直径30mくらいの広場が作ってある。緊急時に使えるよう人の手で作られた場所のようだ。

 スカウトのカールとエルフのアルフォンスが周囲の警戒に向かっている間、俺たち残りの護衛で薪集め、水汲みなどをこなしていく。
 峠を下ってきたので、午後6時には周囲は暗くなり、荷馬車を輪形に並べ、その内側に焚き火と寝場所を確保する。

 非常食での夕食をとり、3人1組で不寝番を行っていく。俺はカスパーとスカウトのカールとともに2番目の組に入る。

 午後11時頃から、午前2時頃までが俺たちの担当だ。
 カスパーが火を絶やさないよう焚き火に薪をくべ、カールが周囲を警戒している。
 カールが、

「ちょっとションベンしてくるわ」

と言って森の中に入っていく。

 魔物を警戒するでもなく、堂々と森に入っていく姿に少し違和感を覚えるが、スカウトなら気配で判るのかもとあまり深く考えなかった。
 10分経ってもカールが戻ってこないことを不審に感じ、カスパーに

「カールが戻ってこない。悲鳴も物音もしない。これっておかしくないか」

「そういえば、遅いな。これだけ火を焚いていれば、道に迷うことは無いはずだ。何かに襲われたのなら、悲鳴の一つ、物音の一つも聞こえるはずだな」

と2人で話していると、遠くから森を掻き分けて歩いているような音が聞こえてくる。

 俺は荷馬車の隙間から鑑定を使い、警戒しながら、

「カスパー、何か来るぞ。みんなを起こした方が良くないか」

と話しかけたとき、森の中から大勢の男たちが武器を手になだれ込んできた。

「みんな起きろ!盗賊の襲撃だ!」

とカスパーが声を枯らして叫ぶ。俺は近くの盗賊を切りつけながら、

(まずい、完全に先手を取られた!逆転の手を考えないとジリ貧になるぞ)

と考えているが、周りは盗賊で溢れている。

 さすがにカスパーのパーティは直ぐに反応して応戦しているが、ソロの3人は反応が遅れ、ライナーとマルコが起き上がりかけたところを数人の盗賊に囲まれ、仰向けに倒れている。両手剣使いのルイスは何とか荷馬車の下に逃げ込み、体勢を整えることに成功したが、左足にケガを負っているようだ。
 どうやら、盗賊たちは連携の苦手なソロを最初に削り、奇襲の後は戦力差で押し切る作戦のようだ。

(魔法を使うしかないな。低出力ファイアボールの連射で混乱させるしか思いつかない)

 俺は一旦、森の中に逃げ込み、追いかけてきた盗賊を切り捨ててから、静かに移動する。
 そして、荷馬車の陰に隠れ、アルフォンスに切り掛かっている盗賊一人にファイアボールを撃ち込む。
 出力を抑えているため、致命傷にはならなかったが、隙ができたため、アルフォンスのショートソードに腹を貫かれ、盗賊はその場に蹲る。

 俺は荷馬車の上に立ち、ルーブレヒトら商人に向かっている盗賊に向け、ファイアボールを撃ち込む。ようやく俺に気付いたようでこちらに向かってくるやつがいる。

 俺はカスパーたちが戦っている場所に走りこみ、盗賊たちを俺たちのほうに集めることに成功する。

「カスパー。1分だけ、時間を作ってくれ。範囲攻撃魔法を撃ち込む」

「判った。できるだけ早くしてくれ」

(さすがに切替が早いな。俺が魔法を使っていることに疑問を持ってもおかしくないんだが)

 1分後、ファイアストームの呪文を完成させ、範囲を狭くして、味方に当らないよう調整する。
 7~8人がファイアストームの範囲に入っており、戦闘力を奪う。

「盗賊の数はもう俺たちより少ないぞ!一気に止めを刺す!」

とカスパーが叫び、護衛全員で盗賊に逆襲する。

 冷静に見れば、まだ盗賊の方が2~3人多かったようだが、カスパーの一言で盗賊側にも動揺が走り、一気に形勢は逆転した。盗賊たちは森の中に撤退し始める。
 俺たちのほうも無傷なのは俺とカスパーの2人のみ、他は大なり小なりケガをしており、追撃の余裕はない。

「アルフォンス、けが人の治療を頼む。ユルゲン、森の中の盗賊の状況を見てくれ」

 ドワーフのユルゲンは暗視能力があり、暗い森の中も見ることが出来る。

「カスパー、奴らはまだ森の中に潜んでいるぞ。どうする?」

「とりあえず、治療をしてからだが、もう一戦覚悟しないといけないな」

 俺はユルゲンに

「盗賊に弓使いが残っているか、判るか」

「見える範囲にはいないな。何をするつもりだ」

「カスパー、奴らの頭を潰してしまいたい。俺に任してくれないか」

「いいだろう。ユルゲン手伝ってやってくれ」

 俺は、荷馬車の上に立ち、

「盗賊ども!さっさと降伏しろ!こっちには治癒魔法が使えるエルフがいるんだ。直ぐにこっちは回復するぞ!」

「うるせい!こっちの方が人数は多いんだ。そんな脅しに...」

 俺は挑発すれば、頭目がなんらかのリアクションを起こすだろうと考え、降伏勧告を行った。案の定、叫び返してきた盗賊がいたので、頭目だろうと見当をつけ最高出力のファイアボールを撃ち込む。
 一撃で殺すことはできなかったが、HPの半分以上は奪えたので、これで混乱するはずだ。

「盗賊たちが下がっていく。何とか撃退できたようだ。しかし、あんた魔法がつかえたんだな」

とユルゲンが話しかけてくる。

 ユルゲンはまだアルフォンスの治療を受けていないため、左腕から血を流している。
 俺はユルゲンに治癒魔法を掛け、

「すまない。魔力が切れそうなんで後はアルフォンスに治療してもらってくれ」

と言って、簡単な血止めだけをしておく。

 ユルゲンは何か言いたそうだったが、俺がカスパーの方に向かうと何も言わずアルフォンスの方に向かった。

「カスパー、こちらの損失は?」

「ライナーとマルコが死んだ。ルイスは足に大怪我をしている。無傷なのは俺とお前だけ、アルフォンスとベルト、ギーナは戦闘可能だ。ユルゲンはまだ見ていないが、ドワーフは頑丈だから戦えるだろう。護衛以外では、ルーブレヒトさんたち3人はかすり傷程度だが、御者2人が重傷、3人が軽傷だ。アルフォンスの魔力も残り少ないので、完治までは無理そうだ」

 ソロのライナー、マルコ、ルイスは有名なシュバルツェン迷宮に挑むため、護衛クエストこなしながら、移動していたと言っていた。
 たまたま、裏切り者のカールと同じ組になっただけで、一歩間違えば、俺も同じ目に合っていたかもしれない。
 そう思うと震えが来るが、今はこの状況を何とか凌がなければならない。
 状況を把握するため、盗賊の損害の方も確認してみる。

「盗賊でこの場に残っているのは10人。死亡が6人、4人が重傷。そのままにしておけば、すぐに死ぬだろう。逃げた奴らの数はわからん」

「判った。森の中に入った盗賊は10人くらいだと思うが、正確な数はわからないな。もう一回襲ってくると思うか?」

「俺が盗賊ならもう一度仕掛ける。いくら治癒魔法で回復させてもこちらの人数の方が少ない。それに属性魔法の使い手に対しては魔力の回復時間を与えない方がいいしな」

「アルフォンスは休ませないといけない。悪いが俺も魔力切れになりそうだ」

「判っている。朝までは俺、ユルゲン、ベルト、ギーナで歩哨に立つから休んでくれ」

 俺は焚き火の近くでマントに包まり横になる。

 すぐに睡魔が襲ってきて、カスパーに起こされるまで3時間の間、熟睡していた。
 思ったより、時間が稼げた。頭目にダメージを与えたのが良かったのか?

「タイガ、起きろ。奴らが戻ってきた。戦えるか?」

「ああ、大丈夫だ。大分魔力も戻ったみたいだ。もう一戦くらいならいける」

 時刻は午前4時頃、まだ夜明けまでには大分時間がある。

 盗賊側は森の中から、

「こっちは10人以上いるんだ。荷物を寄こし、武器を捨てれば命だけは助けてやる。抵抗すれば商人、御者も含めて皆殺しだ。少しだけ待ってやる。商人どもと相談しろ」

と先ほどの頭目とは違う盗賊がこちらに向かって叫んできた。

「ユルゲン、何人いるかわかるか?」

「8人は確認できた。木の陰に隠れているやつもいるだろうから、10人はいるんじゃないか」

 カスパーがユルゲンに盗賊の状況を確認している。俺は、

「カスパー、3人は責任を持って俺が倒す。後7~8人だが何とかなるか」

「何とかするしかないだろう。武器を捨てたとして命の保証は全くないのだからな」

「ルーブレヒトさんもそれでよしとしているのか」

「あの人も判っているよ。盗賊がここまで損害を出したら、商人だろうが御者だろうが皆殺しにするだろうと」

 俺は静かに荷馬車の上に伏せて森の中を覗き込み、鑑定で見える範囲の盗賊の位置を確認する。
 視界が通っている敵は5人、一部隠れているのが4人だ。

 3時間の睡眠でファイアボール4発分まで魔力は回復した。最小出力にすれば8発、うまく使えば5人くらいに大きなダメージを与えられるが、そこまで盗賊も馬鹿ではないだろう。

 最も近くにいる不用意な盗賊に向け、一発目のファイアボールを放つ。不意を撃たれた盗賊に見事命中し、HPの1/3近くを削り取る。

 荷馬車から降り、場所を移動する。

 違う角度から、盗賊を狙撃。同じく大きなダメージを与えることに成功する。

 盗賊たちは交渉決裂と判断し、全員で突っ込んでくる。俺はもう一発ファイアボールを撃ち込み、荷馬車から降りる。

 荷馬車の輪の中に突入してきた盗賊の数は8人。
 内2人は後ろに回りこんできたようだが、アルフォンスのロングボウで射抜かれ、商人たちのところまではたどり着けない。

 残り6人。人数的にはほぼ互角。
 レベル的にカスパーたちの方が上であるため、勝てると安心したのが油断に繋がった。

 隠れていた盗賊が荷馬車に火をかけ始めたため、馬が暴れだした。
 その混乱に気を取られたベルトが肩を斬られ、カスパーも頭にフレイルの打撃を食らって倒れている。

 盗賊側は6人に対し、ユルゲンとギーナで対抗しているが、防戦一方になっている。

 俺は火をつけて回っている盗賊に狙いを定めて斬りかかる。

 火を着けていたのはスカウトのカールで、狂ったように荷馬車に火をつけて回っているため、俺に気付いていない。

 真後ろに回りこみカールの首に斬撃を振り下ろす。

 カールの首は半分千切れ、勢いよく血が噴出し、持っている松明の火を消していく。

 俺は、動ける御者たちに火を消すよう指示し、ユルゲンたちの方に向かう。

 ユルゲンたちもかなりダメージを負っているようで、ギーナが右手のロングソードを取り落とし、左手のラウンドシールドだけで戦っている。アルフォンスもショートソードで戦っているが、防御が精一杯。ユルゲンは頭から血を流し、顔が血で赤く染まっている。

(まずい。手遅れか)

 ファイアボールは撃てるが、早く3人の方に行った方がいい。わずか10mの距離がこれほど遠いと感じたことはない。横に回りこむとか奇襲を掛けるとかそんなことが考えられないほど3人は危うい。

 ようやく3人のところにたどり着き、剣を大きく振って、盗賊たちに俺の存在を認識させる。盗賊のうち、3人が俺のほうに向かってくる。

 俺は一人目に盗賊に突きを入れ、そのまま二人目に袈裟懸けを打ち込む。どちらも大したダメージは与えられなかったが、疲れた盗賊たちより俺のほうが動きがいいため、盗賊たちは打ちかかるのを躊躇っている。

 俺は敵に連携されないよう連続攻撃を掛ける。
 運良く一撃目が一人の盗賊の利き腕に当り、武器を取り落とさせることに成功した。
 よし!と思ったその直後、俺の鎖骨辺りに盗賊のロングソードが叩きつけられる。
 革鎧のおかげで鎖骨は折れなかったものの息が詰り一瞬動きが止まる。それが三人目の盗賊に勇気を与えたのか、鳩尾目掛けてショートスピアで突きを入れてくる。

 何とか体をひねり、致命的な突きをかわしたものの脇腹を大きく切り裂かれてしまう。

(痛ってぇ!そう言えば俺って、こんな大きなダメージを受けたこと無かったよな。ここで死ぬのかなぁ)

と痛みに一瞬意識を持っていかれそうになる。

 2人の盗賊はそれぞれ自信を持ったのか、更に畳み掛けるように攻撃を入れてくる。
 しかし、ロングソードの盗賊とショートスピアの盗賊は連携がうまくないのか、それぞれの得意なレンジから攻撃を入れることができていない。
 ロングソード使いが前衛、ショートスピア使いが後衛となって攻撃を掛けられたら、10秒ほどで殺されていただろうが、お互いに邪魔しあっているため、何とか立っていられる。
 周りを見る余裕はなく、2人からの攻撃を捌くので精一杯なので、当然、魔法を使う余裕もない。

(ジリ貧だ。何か手はないか。ファイアによる炎の剣では射程が短い。ファイアボールを撃つには10秒掛かる。一か八かやってみるか)

 俺は持っているツーハンドソードをロングソード使いに投げつけ、スローイングナイフを取り出す。 素早くそよブリーズの魔法の改良版:圧縮コンプレッションを唱え、スローイングナイフを投げ込む。

 圧縮空気に乗ってスローイングナイフは俺の剣を弾いた後のすきだらけの顔に向かって飛んでいく。
 運良くロングソード使いの右目に突き刺さり、敵は右目を押さえ、のた打ち回っている。

 ショートスピア使いは、その光景に驚いているが、更に突きを繰り出してくる。
 俺はもう一本のスローイングナイフを手に突きをかわしていく。

 1対1になれば、ショートスピアの突きを避けるのはそれほど難しくない。アドレナリンのおかげか、脇腹や鎖骨の痛みも感じず、軽快にかわせる。

 ショートスピア使いも、じれてきたのか、突きが大雑把になってきている。俺はスローイングナイフを投げつけ、スピアで弾くタイミングを見て懐に入り、ファイアの魔法でショートスピア使いの顔を焼く。

 両目を焼かれたショートスピア使いが地面をのた打ち回っている。

 俺は愛剣を探し出し、俺を攻撃してきた盗賊たちは無視してユルゲンたちの方に向かう。

 ユルゲンたちも人数が3人に減ったこともあり、既に2人の盗賊を倒していた。最後の一人も戦闘意欲を失くしているが、逃げ出すタイミングが計れずにいるようだ。

 俺は、ユルゲンたちと戦っている盗賊の後方から攻撃を掛け、背中から突きを入れる。

 盗賊は口から血を噴出し、前に向かって倒れていく。

 俺は盗賊の最後を確認もせず、俺を襲ってきた3人の盗賊の止めを刺しに行く。

 利き腕に怪我を負った盗賊は既に逃げ出したようで、近くにはいない。

 右目にナイフが刺さっているロングソード使いはナイフを引抜き、剣を探している。
 俺は死角になる右側から接近し、首に向けて斬撃を繰り出す。うまく頚動脈を切り裂いたようでそのまま血を噴出し倒れていく。

 ショートスピア使いはまだ地面でのた打ち回っているが、俺は足で体を踏みつけ、喉に突きを入れて止めを刺す。

 周りを見るとユルゲンが最初にアルフォンスに射抜かれた2人に止めを刺しに行き、アルフォンスはカスパーの様子を見ている。

 俺は自分の脇腹に治癒を掛け、応急処置をするとともに商人、御者たちに盗賊たちの死体を集めるよう指示を出す。

 アルフォンスのところに行き、カスパー、ベルトの様子を聞くと、2人とも命には別状無いようで、治癒での応急処置で何とかなっているらしい。

 ギーナ、ユルゲンもケガを負っているが、まだ大丈夫なようだ。

 ソロの両手剣使いのルイスは、寝ているところをカールに後ろから刺されたようで、既にこときれていた。
ちょっと長い戦闘シーンになりました。
(2話に分けてもよかったかな?)


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