放射性セシウム:野生キノコから検出 採取、食用の自粛掲示 販売所、森林入り口に−−富士吉田など /山梨
毎日新聞 2012年10月27日 地方版
富士吉田市、富士河口湖町、鳴沢村の野生キノコから基準を超える放射性セシウムが検出された問題で、地元では26日、役場職員らが農産物の販売所や森林の入り口に採取や食用を控えるよう掲示するなど対応に追われた。
県の検査で3市町村の「ショウゲンジ」「キヌメリガサ」などの野生キノコから国の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える同360〜140ベクレルを検出。国は26日、県に出荷停止を指示した。
富士河口湖町では26日、町職員らが青木ケ原樹海の「コウモリ穴」付近、キノコ販売所など約20カ所に採取や出荷を当面控えるよう説明文を掲示。富士吉田市も同日、東富士五湖道路周辺の山林の入り口などに同様の掲示をした。
富士河口湖町には原木キノコの栽培組合があり、これからシメジやシイタケの販売期。本栖湖観光協会販売店の伊藤コガイさん(75)は「店で扱うのは野生でなく原木シメジだが売るにも贈るにも困っている。早く安全と言ってほしい」。
富士山麓の野生キノコに詳しい滝口雅博・同町ジビエ食肉加工施設長(59)は「セシウムが検出されたキノコは富士山1〜2合目あたりの腐葉土に生えるもの」と指摘。「キノコ狩りの季節は終わる時期だが、来年のシーズンが不安だ」と話した。【小田切敏雄】