1999年に山口県光市で起きた母子殺害事件で、殺人と強姦(ごうかん)致死などの罪で死刑が確定した大月(旧姓・福田)孝行死刑囚(31)が29日、広島高裁に再審請求する。死刑囚の弁護団が28日、明らかにした。
判決によると、大月死刑囚は18歳1カ月だった99年4月14日、光市の会社員本村洋さん宅で、妻弥生さん(当時23)の首を絞めて殺害し、強姦。長女夕夏ちゃん(同11カ月)も殺害した。一、二審は更生の可能性を重視して無期懲役としたが、2006年に最高裁が事件の悪質性などから破棄。差し戻し後の二審・広島高裁判決が死刑を宣告し、今年2月に最高裁第一小法廷が被告側の上告を棄却する判決を言い渡し、同3月に死刑が確定した。
大月死刑囚は公判の途中から「被害女性の口をふさごうと手で押さえつけ、死なせてしまった」と殺意を否認。弁護側は再審に向け、心理学や法医学の鑑定書を新証拠として提出する考えを明らかにしていた。