テレビ・ラジオの音声と字幕から
2012年10月13日
2012年05月19日
2009年12月23日
「えん下(げ)障害」:NHKテレビより
平成21年12月22日(火)、NHKテレビの午後9時のニュースの画面に、「えん下(げ)障害」と表示された。「嚥下障害」の「嚥」が常用漢字表に載っていないので、かな表記にしたのである。「嚥下」は、辞書で確認すると、「えんか」「えんげ」の二通りの読みがある。NHKは「えんげ」を採用したのである。
「嚥」は、「のむ」と訓読みする。「嚥下」は、「のみくだす」と訓読みして、その意味を覚えることができる。
「交ぜ書き」は止(や)めて、「嚥下」と表記し、読めなかろうと判断したら、「えんげ」または「えんか」とルビを付ければよい。「えん下」では、何のこっちゃということになる。
ことほどさように、ルビを付けることは、嫌われている。
「嚥」は、「のむ」と訓読みする。「嚥下」は、「のみくだす」と訓読みして、その意味を覚えることができる。
「交ぜ書き」は止(や)めて、「嚥下」と表記し、読めなかろうと判断したら、「えんげ」または「えんか」とルビを付ければよい。「えん下」では、何のこっちゃということになる。
ことほどさように、ルビを付けることは、嫌われている。
2009年08月28日
2009年08月24日
2009年08月17日
2009年04月13日
2009年04月11日
2009年01月10日
「元気印」を「ゲンキイン」
(「朝日新聞」朝刊09/01/07付より)
「(等身大になると)失敗も、さらっと許してくれる。先ほどは失礼しましたと。随分あるでしょう。『ゲンキインのお父さん……』。何のことかと思ったら、元気印(げんきじるし)のお父さんのことでした。生の怖さです。しゃべり手の中で、その意識が近年微妙に欠落してますね」
※アナウンサーは、(他人が書いた)原稿を読むのですね。日本語の漢字には複数の読み方がありますから、読み方(ルビ)が付いていないと、誤読する可能性が高いのです。「その意識も近年微妙に欠落してますね」と申し上げたい。
引用した記事の中にも、ルビなしでは読みがたい漢字があります。
第一は、人名です。「押阪忍」「古舘伊知郎」「山家誠一」を正確に読める人がどれだけいるものでしょうか。
訓読みも、難しいのです。「集い」「取り繕わず」「脇役」「生の怖さ」。
音読みでも、「正対」「真骨頂」「等身大」の読みに迷う人もいるでしょう。
読めない漢字があっても、黙読すれば、さらっと流してしまいます。ルビが付いていれば、新聞記事を読む度(たび)に、「へぇー、こういう読み方をするのか」と発見ができます。「おう、やっぱり、『フルタチ・イチロウ』と読むんだった」と読み方の再確認もできます。読者に正確な読み方で名前を覚えてもらえるのです。
もっとルビを付けましょうよ。
2008年08月04日
2008年08月02日
2008年05月10日
2008年04月20日
2008年03月26日
「ココロミノケイサン」
08/03/25 NHKTV 正午のニュースで、「ニイガタケンノシサン、ココロミノケイサンニヨリマスト」という音声が聞こえてきた。「新潟県の試算、試みの計算に拠りますと」の意味です。明治以降、西洋語の翻訳語として、「新字音語」「和製漢語」(注)が作られたが、同音異義語も多く生まれた。
(注)高島俊男『漢字と日本人』(文春新書2001年)130頁前後を参照のこと。
156〜158頁も参照のこと。
(注)高島俊男『漢字と日本人』(文春新書2001年)130頁前後を参照のこと。
156〜158頁も参照のこと。
2008年03月25日
2008年02月28日
「ラクセツ」に注意
08/02/15、NHKテレビ、午後7時半直前の天気予報を聞いていたら、「ヤネカラノラクセツニモ、ゴチュウイクダサイ」と聞こえてきた。
「ラクセツ」は、「落雪」に違いない。
ふと思いました。留学生が聞いていたら、「ラクセツ」が分かるのは、どのくらいの割合であろうかと。
崖道(がけみち)には、「落石注意」の看板があろう。これは、一目(イチモク)瞭然(リョウゼン)である。
「ラクセツ」→「落雪(ラクセツ)」→「落ちる雪(ゆき)」「落ちてくる雪(ゆき)」
落:ラク/おちる・おとす、雪:セツ/ゆき・すすぐ(「雪辱」)。日本語の漢字は、字の形(筆順)・音読み・訓読みの三点セットで覚えていかねばならない。覚えてしまえば、強力な武器になる。
言い換えるとすれば、「屋根から落ちてくる雪にも、気をつけてください」か。「気」は、漢語だから、和語に統一しようとすれば、「心を掛ける」「心を向ける」と言うか。
「ラクセツ」は、「落雪」に違いない。
ふと思いました。留学生が聞いていたら、「ラクセツ」が分かるのは、どのくらいの割合であろうかと。
崖道(がけみち)には、「落石注意」の看板があろう。これは、一目(イチモク)瞭然(リョウゼン)である。
「ラクセツ」→「落雪(ラクセツ)」→「落ちる雪(ゆき)」「落ちてくる雪(ゆき)」
落:ラク/おちる・おとす、雪:セツ/ゆき・すすぐ(「雪辱」)。日本語の漢字は、字の形(筆順)・音読み・訓読みの三点セットで覚えていかねばならない。覚えてしまえば、強力な武器になる。
言い換えるとすれば、「屋根から落ちてくる雪にも、気をつけてください」か。「気」は、漢語だから、和語に統一しようとすれば、「心を掛ける」「心を向ける」と言うか。
2008年02月11日
「文書漏えい」:交ぜ書きのこと
08/02/10 NHKテレビ、午後7時からのニュースの画面に、「文書漏えい防ぐ」と表示された。
「漏洩」の「洩」が常用漢字でないので、「交ぜ書き」をしている。「漏洩」と表示して、ルビを付ければよい。「漏洩(ろうえい)」と。
辞書を引けば、「漏」も「洩」も「もる・もれる・もらす」と読むことが確認できる。
「交ぜ書き」をやめよう。
「日本語の漢字」は、音と訓、漢語と和語の組み合わせでできている。
「洩」という字の形+「エイ」という音読み(漢語)+「もる・もれる・もらす」という訓読み(和語)=日本語の漢字。
字形・字音・字訓の三点セットで完(まった)き「日本語の漢字」となっている。
「漏洩」の「洩」が常用漢字でないので、「交ぜ書き」をしている。「漏洩」と表示して、ルビを付ければよい。「漏洩(ろうえい)」と。
辞書を引けば、「漏」も「洩」も「もる・もれる・もらす」と読むことが確認できる。
「交ぜ書き」をやめよう。
「日本語の漢字」は、音と訓、漢語と和語の組み合わせでできている。
「洩」という字の形+「エイ」という音読み(漢語)+「もる・もれる・もらす」という訓読み(和語)=日本語の漢字。
字形・字音・字訓の三点セットで完(まった)き「日本語の漢字」となっている。
2008年02月07日
2008年01月12日
「どう読む」から「なぜそう読む」へ
今朝、ラジオのニュースから聞こえてきた。「……ニホン(ニッポン?)ケイダンレンカイチョウ、オクダヒロシ……」。新聞で目にしてきた「奥田碩」の「碩」は、「ひろし」と読むのであったか。
「ATOK 2006」で「ひろし」の変換リストを確認したところ、「碩」は入っていない。
『学研漢和大字典』にも、「碩」の「ひろし」の読みは載っていない。
『漢字源』《名付け》おお/ひろ/みち/みつる/ゆたか(下線は引用者)
『大修館 新漢和辞典』にも「ひろし」の読みはない。
ルビが付いていないと、ああ、「ひろし」と読むのか、で終わる可能性が高い。
「碩(ひろし)」とルビが付いていれば、あまり見かけない「ひろし」だな。どうして「ひろし」と読むのかな、と調べる可能性が出てくる。
たとえば、日本の歴史関係の書物を読むと、「屯倉」が出てくる。ルビなしでは、どう読むのか分からない。ひとに尋ねると、「みやけ」だよ、「あっ、そう」で終わり。
「屯倉(みやけ)」とルビが付いていれば、なぜ、「みやけ」と読ませるのかな、と調べる気になる可能性が高くなるのではないか。
漢字「屯」から調べなくても、和語(国語)「みやけ」で調べることができる。
『広辞苑』み-やけ【屯倉】(ミは接頭語。ヤケはヤカ(宅・家)の転、屋舎・倉庫の意)
「ATOK 2006」で「ひろし」の変換リストを確認したところ、「碩」は入っていない。
『学研漢和大字典』にも、「碩」の「ひろし」の読みは載っていない。
『漢字源』《名付け》おお/ひろ/みち/みつる/ゆたか(下線は引用者)
『大修館 新漢和辞典』にも「ひろし」の読みはない。
ルビが付いていないと、ああ、「ひろし」と読むのか、で終わる可能性が高い。
「碩(ひろし)」とルビが付いていれば、あまり見かけない「ひろし」だな。どうして「ひろし」と読むのかな、と調べる可能性が出てくる。
たとえば、日本の歴史関係の書物を読むと、「屯倉」が出てくる。ルビなしでは、どう読むのか分からない。ひとに尋ねると、「みやけ」だよ、「あっ、そう」で終わり。
「屯倉(みやけ)」とルビが付いていれば、なぜ、「みやけ」と読ませるのかな、と調べる気になる可能性が高くなるのではないか。
漢字「屯」から調べなくても、和語(国語)「みやけ」で調べることができる。
『広辞苑』み-やけ【屯倉】(ミは接頭語。ヤケはヤカ(宅・家)の転、屋舎・倉庫の意)
2007年09月17日
2007年08月15日
2007年07月16日
2007年06月02日
2007年04月19日
2007年04月15日
「セカイサイウス」
07/04/09(月)午後8時から、『水戸黄門』の新シリーズが始まりました。ケータイのCMの音声が流れてきました。「……セカイサイウス……」。画面には、「世界最薄」が出ていたか、記憶が不鮮明。今夜、第2回目を見て、確かめてみましょう。
「最薄」の、「サイ」は音読みで、「うす」は訓読みです。
似た組み合わせの語に、株のニュースで見たり聞いたりする、「最高値」「最安値」を思い出します。「サイたかね」「サイやすね」と読みます。読むときには、ルビが付いていないと、「サイコウチ」「サイアンチ」と読んでしまう人もいるかも知れません。
ちなみに、「水門」を「みと」と読むのは、訓読みです。ですから、「みと」は、和語(わご)です。「コウモン」は、音読みで、漢語(かんご)です。
「助さん」の「すけ」は訓読みで、「格さん」の「カク」は音読みです。
かくの如(ごと)く、日本語の漢字の読みは、音読みと訓読みが混ざり合っているのです。日本語の初心者には、難儀(ナンギ)であります。正確に読むために、ルビが欲(ほ)しいですね。
「最薄」の、「サイ」は音読みで、「うす」は訓読みです。
似た組み合わせの語に、株のニュースで見たり聞いたりする、「最高値」「最安値」を思い出します。「サイたかね」「サイやすね」と読みます。読むときには、ルビが付いていないと、「サイコウチ」「サイアンチ」と読んでしまう人もいるかも知れません。
ちなみに、「水門」を「みと」と読むのは、訓読みです。ですから、「みと」は、和語(わご)です。「コウモン」は、音読みで、漢語(かんご)です。
「助さん」の「すけ」は訓読みで、「格さん」の「カク」は音読みです。
かくの如(ごと)く、日本語の漢字の読みは、音読みと訓読みが混ざり合っているのです。日本語の初心者には、難儀(ナンギ)であります。正確に読むために、ルビが欲(ほ)しいですね。
2007年02月24日
「かながた」と「かねがた」
07/02/22、NHKテレビ、朝7時のニュースの声が耳に入ってきた。「……、かながたこうじょう……」。前から気になっていた「金型」の読み方である。NHKは、「かながた」にしているのか。辞書を引く。『新潮国語辞典(第二版)』:「かねがた」のみ。『広辞苑(第五版)』:「かながた」が主で「かねがた」が従。『日本国語大辞典』(1994年縮刷版第一版第十四刷):「かながた」が主で「かねがた」が従。『類語大辞典』(講談社2002年):索引に「かながた」「かねがた」なし。
「金型」を扱う業界では、どちらを使っているのか。マニュアルなどに、ルビを付けておけば、読みが統一されて、曖昧さや混乱が防げるはずである。
「金型」を扱う業界では、どちらを使っているのか。マニュアルなどに、ルビを付けておけば、読みが統一されて、曖昧さや混乱が防げるはずである。