中国共産党大会
中国共産党の最重要事項を審議する会議で、5年に1回開催される。正式名称は「全国代表大会」。第18回となる今回は、党員8260万人の中から選ばれた代表2270人が参加。党規約改正や長期的政策の決定、中央委員会や中央規律検査委員会のメンバーなど幹部人事を決定する。会期は1週間程度。最高指導部と呼ばれる政治局常務委員は、党大会直後の中央委員会第1回総会で選ばれる。中央委員は約200人。
(2012年10月28日掲載)
胡氏、軍トップは続投か 中国共産党大会 11月8日開幕 新指導部 7人体制 顔触れほぼ確定 総書記権限 強化へ
中国の今後5年間の指導体制や基本路線などを決定する第18回共産党大会が11月8日、北京の人民大会堂で開幕する。最高指導者である胡錦濤国家主席(69)が党総書記を退き、後任には習近平国家副主席(59)が就任する見通し。格差解消や腐敗撲滅、沖縄県・尖閣諸島をめぐって対立する日中関係の正常化といった難題に取り組む次期最高指導部の顔触れが最大の焦点だ。 (北京・久永健志)
共産党が国家を指導する中国。最高指導部である党政治局常務委員会は、現在の9人のメンバーで構成される。このうち、来年春の全国人民代表大会(全人代)で温家宝氏(70)から首相ポストを引き継ぐとみられる李克強副首相(57)と習氏の2人は常務委員にとどまり、胡氏ら7人は定年(68歳)に伴い退任する見通し。
秘密裏で協議が続いてきた新最高指導部の人選は、ほぼ確定した。党関係者などの情報を総合すると、新指導部は7人体制に減員となったもよう。減員は意思決定の迅速化や総書記の権限強化を主張する胡氏の強い意向という。
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習、李両氏を除いた残る5人の常務委員には、王岐山副首相(64)、李源潮党中央組織部長(61)のほか、張徳江副首相兼重慶市党委員会書記(65)の3人がほぼ当確。王氏は全国政治協商会議(政協)主席、李氏は党中央規律検査委書記、張氏は全人代常務委員長への就任が有力視される。
残る二つの椅子は、劉雲山党中央宣伝部長(65)と張高麗天津市党委書記(65)がつかんだもようで、劉氏は中央書記局常務書記、張氏は常務副首相に就任するとの見方が出ている。
次期最高指導部の人選は、年初は有力候補と目されていた薄熙来前重慶市党委書記(63)が失脚したことで混迷。薄氏と並んで有力視されていた汪洋広東省党委書記(57)は中央政治局員にとどまり、5年後をうかがう。有力候補に浮上していた兪正声上海市党委書記(67)も政治局員に残る見通し。
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人事をめぐるもう一つの注目点は、総書記を退く胡氏の処遇。胡氏は来年の全人代で国家主席ポストも習氏に引き渡す見通しだが、人民解放軍の最高意思決定機関である党中央軍事委員会の主席から退くかどうかはなお不透明だ。
江沢民前国家主席が総書記退任後も2年間にわたって軍事委主席に踏みとどまり、軍を背景に「院政」を敷いた前例もあり、胡氏も当面はとどまるとの観測が強まっている。
党人事は11月1日から開かれる第17期中央委員会第7回総会(7中総会)で最終決定する予定。