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国際
中国・寧波の大規模デモなお混乱、化学工場計画の計画見直し発表も、当局への不信感強く
【上海=河崎真澄】中国の華僑向け通信社、中国新聞社電によると、浙江省寧波市政府は28日夜、国有石油大手の中国石油化工(シノペック)が同市で計画していた化学工場の拡張に反対する住民らの大規模デモを受け、住民側が環境汚染と健康被害を強く警戒していた毒性の強いパラキシレン(PX)部分の製造工程の導入を撤回すると発表した。PX以外の工程でも暫定的に計画を凍結する。
しかし、PX工程の導入撤回の発表後も、数千人に膨れあがっていた住民側は納得せずデモを継続。一部の参加者が警察隊によって強制排除されたが、住民らはペットボトルを投げるなどし抵抗した。22日に表面化した住民の抗議を受け、同市政府は24日以降、環境保護対策の徹底などを訴えてきたが、当局への不信感を抱く住民側は抗議活動をエスカレートさせてきた。
最高指導部の交代人事を決める共産党大会開幕を来月8日に控え、治安維持を最優先したい当局が住民側の要求に折れたものの、混乱は収まらず、社会の不安定ぶりを浮き彫りにした。
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