理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらの研究チームは26日までに、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を変化させて作った網膜の細胞を、視力が低下した加齢黄斑変性の患者に移植する臨床研究の実施を同研究所の倫理委員会に申請した。同センターが明らかにした。
移植手術を担当する病院も、院内の倫理委員会に申請を行う。
それぞれの倫理委は、動物実験のデータなどを基に移植の安全性や効果について検討する。各倫理委の承認が得られた段階で、理研と病院が幹細胞を用いた臨床研究の指針を定めている厚生労働省に審査を申請。厚労省が実施を認めれば、早ければ来年度に移植を行う。世界で初めての臨床研究となる可能性がある。
[時事通信社]