■岡田副総理、尖閣問題に「議論があることは事実」と発言
2012年10月21日、民主党・岡田克也副総理は和歌山で行われた公演で、石原都知事主導による「
尖閣諸島買収」をあらためて批判した。
そして、尖閣諸島については「
領土問題ではないが議論があることは事実」というコメントを行った。
この発言に対し中国側は大歓迎のようだ。
日中関係(尖閣諸島をめぐる情勢)尖閣諸島について
尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり,現に我が国はこれを有効に支配している。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。
1968年に周辺海域に石油資源が埋蔵されている可能性が指摘された後,1971年から中国政府及び台湾当局が同諸島の領有権を公に主張。
これは、22日に「
中国新聞網」では日本の副首相が「
尖閣諸島の購入を批判」し「
領土係争」を認めたとして報道される結果となった。
このような不用意な発言は中国側を利するだけなのである。
彼らが「
歴史事実」に基づかない嘘八百を繰り返していたとしても、世界の世論が必ずしも「
歴史的事実」を支持することはないことを肝に銘じるべきだろう。
■中国の宣伝戦能力を舐めてはいけない
そもそも、中国の宣伝戦を舐めてはいけないのである。
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Amazon宣伝工作に巧みな蒋介石軍に対し、いかにも宣伝下手な日本人 アメリカに対するプロパガンダ作戦の巧妙さ―ラルフ・タウンゼント(『暗黒大陸中国の真実』)だけではなかった!日中戦争前後の中国、満洲、日本を取材した米人ジャーナリストがいた!日米関係の悪化を懸念しながら発言を続けたウイリアムズが訴える真実とは?―。
日中戦争の泥沼化とそれにつながる太平洋戦争の敗北は、中国に中間の2国間問題を国際問題にリンクしたという「
政治的勝利」という側面もあるのだ。(当時は国民党政府)
当初、第二次上海事変勃発では、中国の国際法を守らない挑発行為に海外マスコミも批判的であった。
しかし、その流れは中国のロビー活動で覆されていく。当時のアメリカに限って言えば、経済界は重要な貿易相手国である日本支持が多かったのにである。
その後の南部仏印進駐など、日本の失策が国際世論を不利にした面は大きい。ただ、それだけでは歴史の流れは説明できない部分があるのである。
自国に有利な宣伝をいかになすべきか?この歴史的教訓を日本人は忘れてはいけない。
その点、
岡田副総理の発言は大きな失策である。
■人民解放軍将官が沖縄の領有権を主張
中国人民解放軍の将官に至っては尖閣諸島だけではく、「
沖縄県」も中国の物であると主張している。
そして、その主張はイギリス経済紙「
Financial Times」にも取り上げられている。
これは今ならバカ話と断ずることもできる。日米安保がある中で沖縄を中国が併合するなどあり得ない話だ。
ただ、中国人民解放軍の将官には真面目に「沖縄県」は中国領であると考えている人物がいることは意識すべき問題だ。
■尖閣問題を「領土係争」としてはダメな理由
尖閣諸島に関しては、日本経団連の米倉会長が「領土紛争地域」であると認める発言を行っている。
また、9月27日に
橋下徹大阪市長も「
国際司法裁判所」に訴えるべきというコメントをしている。これも「領土問題」を認めるということと同義だ。
今の国際社会、影響力ある国は、双方の主張がぶつかれば第三者に法によって裁定してもらうという考えは支持される。尖閣も、竹島も、日本が国際司法裁判所で解決したいのに、中国も韓国も応じないと世界に訴えれば支持される。領有については国際社会は中立だ。
そして、何よりも最悪なのは副総理という立場で
尖閣諸島の購入を批判し、尖閣諸島に「
領土問題ではないが議論があることは事実」という発言だ。
彼らは議論などしてこない。「日本側が議論が必要だという領土問題と認識している」として宣伝を仕掛けてくる。
現在は、日米安保という盾があるので、中国も踏み込めない。
しかし、いつまでも米国におんぶに抱っこの安全保障のままだから、政治家も育たないのではないかと思うのである。
【
naka773】
外務省: 日中関係(尖閣諸島をめぐる情勢)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html【尖閣国有化】岡田副総理が「都の購入計画間違い」 和歌山市で講演 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121021/stt1210211日副首相承认中日存领土争议 批“购岛”计划 -中新网
http://www.chinanews.com/gj/2012/10-22/4264473.shtml領土問題の処理急ぐな 「紛争存在せず」堅持を 小寺彰 東京大学教授 :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO43590780Q2A710C1KE80Chinese nationalists eye Okinawa - FT.com
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/9692e93a-d3b5-11e1-b554-001