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経済
【経済裏読み】凍え死ぬ!冬の電力不足、政府の無責任で北海道に「総量規制」危機
北海道電が政府の需給検証委員会に示した今冬の電力需給見通しによると、予備率は2月で5・8%と関電を上回った。ただ、北海道電の冬の最大電力需要は563万キロワットで、関電の5分の1弱の規模だけに、余力は中型の火力発電所1基分(約35万キロワット)に過ぎない。出力70万キロワットの苫東厚真火力4号機(厚真町)が停止すれば、とたんに5%超の供給不足に陥る。
さらに、空調需要が高まる日中のピーク時間帯で、最大電力を削減する夏場の節電と異なり、冬の北海道では夜間や早朝の暖房や融雪装置など24時間、高い電力需要が続く。北海道電がかつて示した見通しでは、供給電力量が3~4%不足する恐れがあるとしていた。
本州から送電ムリ…総量規制の検討も
供給電力量が不足する場合は、ピーク時の電力使用を控え、需要の少ない時間帯にシフトする夏型の節電では対応できず、1日を通して一定の節電を義務づける「総量規制」も必要になる。オイルショック時に行われた電力の総量規制や東電管内で企業など大口需要者に義務づけられた電力使用制限令に匹敵する節電令となるだけに、影響は深刻だ。
関電の夏の電力需給を下支えした、他電力会社からの応援融通にも限界がある。北海道と本州を結ぶ唯一の送電線にあたる海底ケーブル(北本連系設備)は最大60万キロワットしか電力を送れないという制約がある。
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