東日本大震災:ガレキ処理反対陳情、県議会に2日間で946件 大半が大阪府民から ネット呼びかけも /岩手
毎日新聞 2012年10月26日 地方版
東日本大震災で発生した災害廃棄物(ガレキ)の広域処理に反対する陳情書が、県議会に今月23日から2日間だけで946件寄せられていたことが25日分かった。議会事務局によると陳情は採択か不採択の決定を行わないが、「過去にこれだけ膨大な陳情書が寄せられたことはない」と困惑している。
陳情の要旨は「災害廃棄物を広域処理しないことについて」と「がれきの広域処理をせずに、現地のより良い方法で処理・活用することについて」が主で、大半が大阪府内の市民からだったという。今夏、大阪府と大阪市は岩手県との災害廃棄物の受け入れに合意している。
「岩手県陳情書出しまくり作戦」というインターネットサイトでは、文例集の紹介や陳情書の提出を呼びかけており、そうしたサイトなどを参考に、大量の陳情書が送られた可能性もある。陳情については、紹介議員が必要な請願と異なり、だれでも出すことができる。
県廃棄物特別対策室は「ご理解いただけない方が多くいるのは残念だが、安全性に配慮しながら広域処理を進めたい」と話している。
同様の問題を巡っては、宮城県議会事務局でも9月25日〜10月12日までに広域処理の中止を求める陳情書が615件寄せられており、県外からの提出が多く含まれていたという。【金寿英】