雑感
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2002年02月04日(月) |
源氏物語とあさきゆめみし |
手元に、大和和紀のコミック「あさきゆめみし」が3巻ある。
日本語の作品は、全10巻揃えたが友達に譲った。この3巻は ドイツ語版で、"Genji Monogatari-Asaki Yumemishi"というタイトル がついている。 シャルロッテ・オルダーリッセンという女性編集者が、日本のマンガの 世界に引き込まれ、「あさきゆめみし」と出会い、この美しい物語を 何とかドイツ語圏にも広めたいという情熱が実り、ようやく出版までに こぎつけた。劇画はそのままで、台詞だけドイツ語に翻訳されている。
7,8年前だろうか、この編集者が急死したか、何かの事情で出版が できなくなり、3巻まで刊行されてプロジェクトは中止。在庫僅少で、 欲しい人は出版社に連絡するようにと新聞記事が載っていたので、 あわてて注文した。1冊、1500円くらいだったように記憶している。 今や、私の数少ないお宝となった。
先日から、源氏物語の原作の方を読んでいる。平安の大和ことばの美しさ には、ぐっと惹かれる。わからない単語が多いけれど、口に乗せて読んで いくと、たゆとい川の流れのような文章である。
いづれのおほん時にか、女御更衣あまたさぶらひけるなかに、いと やんごとなききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふ、ありけり(桐壺)
(どなたさまの御世でございましたか、女御、更衣が大勢お仕えして おります中に、大した家柄ではありませんでしたが、ずいぶんと ご寵愛の深いお方がおりました。)
源氏物語をこの年になって読むとは想像もできなかったが、きっかけは、 コミックの「あさきゆめみし」だった。高校の授業で、あたりさわりの ない抜粋を勉強したことがあったが、最初から読んでいけば、この小説、 いっきに読めてしまいそうだ。光源氏が数え切れない女性たちと契りを結 んでいく長編ロマンスである。 ハ―レクインロマンスの原型が、1000年も前に存在していたことに 驚嘆する。
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