もはや風物詩の『an・an』セックス特集。
今回のテーマは「感じあう、SEX」だが、これを男性向け週刊誌『SPA』の特集、
「ついに真理を解明!『女の発情メカニズム』を自在に操る技術」(なんツータイトルだ)
と比較することにより、女性と男性のセックス感の違いを明らかにしたい。
まずは『an・an』の付録DVD「ラブ・スイッチ」を4コマ漫画にしてみた。
一言でいうと、前置きの長いAVビデオだ。
「彼の官能スイッチを入れる」方法だとは言っているが、
前置きを楽しみたいという女性の願望が詰まっている。
一方『SPA』の、実際に女性がヤラれた体験談の漫画が、
『an・an』と違いすぎてシュールだ。前置きが一切ない。
※『SPA』2012年8月7日号「女の発情メカニズムを自在に操る技術」より引用
セックスの無言さも、やたら会話しあう『an・an』のセックスと対極的だ。
男女が行き違うわけである。
DVD以外の誌面でも、『an・an』では、
「早く部屋に行きたい気持ちを抑え、あえてゆっくり時間を楽しんでみる」
「エレベーターのドアが閉じる瞬間、我慢しきれないみたいなキス。部屋に到着するまでの数分は、これから始まる二人きりの時間のための極上のプロローグ」
といった、いかにセックスの前のデートで恋愛気分に浸るか、という事に注力されている。
一方、『SPA』で紹介されているデートのおススメアイテムは、柔軟剤の「ダウニー」だ。
下手な香水は嫌われる可能性も多いので、柔軟剤の匂いが無難で媚薬的効果も見込めるという。(媚薬になるという根拠は書かれていないが)
恋愛雰囲気重視の『an・an』に比べ、なんとも即物的な『SPA』。
同じテーマを扱っているのに、まったく違った方向に走っている。
これでは読んでも理解しあうどころか、逆効果ではないだろうか。
しかし、この二誌が本当にセックスの真実を追求していたのであれば、
アプローチは異なっても、結果として似たものになるはずだ。
なぜここまで違っているのだろうか?
それは、売るための雑誌である以上、真理を描くよりも、
「こうあってほしい」という男女それぞれの願望を描く形で
編集されているからではないか。
例えばもし『an・an』の中身が『SPA』で、
『SPA』の中身が『an・an』だったら真理でも嫌だろう。
ところで、私の友人で、中谷彰宏氏の本が大好きな女性がいる。
彼女は中谷氏の「好きな人には『セックスして欲しい!』と言おう」
といった意味のフレーズにいたく感激し、
高校時代の通学電車で2年間片思いしていた人と初めて話せたとき
「セックスして欲しい!」と言ったらしい。
男はドン引きし、「お前バカか」と言われてフラれたそうだ。
本は信じるものではなく、楽しむものだと思う。
>「セックスして欲しい!」と言ったらしい。
>男はドン引きし、「お前バカか」と言われてフラれたそうだ。
それはその男が悪い。