富山のニュース 【10月9日01時22分更新】

高岡の散居住宅616戸 市が初の調査 文化的景観を保全

散居村が織り成す風景=高岡市是戸地区
 高岡市内に散居住宅が616戸確認され、うち砺波平野特有のアズマダチ住宅は108 戸残ることが、高岡市が8日までにまとめた散居村の調査結果で分かった。カイニョ(屋 敷林)は1万2625本あり、スギが3370本と最も多かった。市は調査結果を、砺波 平野に形成された文化的景観の保全に役立てる。

 調査対象となったのは、高岡市南部の是戸、醍醐、中田、北般若、戸出北の1718戸 。住居様式はアズマダチ住宅のほか、マエナガレ住宅が177戸、入母屋住宅が151戸 でみられた。

 カイニョが立つ方角は南と西で約7割を占め、関連して散居住宅は東向きが全体の9割 を超えた。夏季の遮光、冬季の防風に効果の高い住宅として経験的な知恵によって造られ たことがあらためて如実に表れた。

 調査は2013年秋に高岡市で初開催される全国散居村サミットに向けて行われた。

 高岡市は11年3月に策定した市歴史文化基本構想の中で、「アズマダチ住宅は砺波平 野の農家の誇りであり、カイニョとともに織り成す景観は地域ならではのもの」とした。 砺波、南砺、小矢部市とともに保全方法を図る必要があると提起し、高岡市内にある散居 住宅の残存状況や課題を明確に把握するための実態調査の必要性を盛り込んでいた。

 サミットは全国散居村連絡協議会が2年に一度開催。高岡市は08年に協議会に加盟し 、県内では砺波市と入善町も参加している。高岡市は「今回の調査を基に、サミットで高 岡の散居村の実態と課題を知ってもらいたい」(農地林務課)としている。


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