このビクトリア調の金持ちのお屋敷に、ある日、ノックの音が。
何食わぬ顔で、いきなり家族に紛れ込んできた怪しいヤツ。
言葉も意志もまったく通じない妙な生き物が
マイペースでワケの分からない行動を繰り返します。
壁に鼻をくっつけたまま一日中立っていたり
エドワード・ゴーリー作『うろんな客』
こんなうろん(怪しい)なヤツが家に入り込んだらどうしますか?
本編に入る前に愛ある一押しを⇒
ゴーリーの絵本はどちらかというと大人向けで
子どもには残酷過ぎて、あまりにも悲惨で見せたくない
という親も多いのではないでしょうか。
読んだ後で嫌悪感さえ抱く人もいるらしいですね。
一方、一度その魅力にはまって抜け出せなくなった
熱狂的ファンも多く、両極端に分かれるようです。
そんなゴーリーの作品の中で、この『うろんな客』は異色。
だれでも受け入れられる理由は読んでもらえば分かります。
妙な姿形の「客」はユーモラスで最近のことばでいうと
キモカワキャラというところでしょうか。
フィギュアがオークションでかなりの高値だったという話も。
原文の英語は各ページ2行の短文で脚韻を踏んでいて
2行の最後の音が同じなので歌のようにリズムがあります。
例えば、このページ
When they answered the bell on that wild winter night
There was no one expected-and no one in sight
night(ナイト=夜)とsight(サイト=視界)が韻を踏んでいます。
この脚韻と独特の言い回しが特徴の英文を訳者の柴田元幸さんは
「短歌」の五七五七七のリズムで表現されています。
上の英文は次のような短歌に。
「風強く 客もなきはず 冬の夜 ベルは鳴れども 人影皆無」
解説には日本語訳も載っているのですが、英語と短歌を並行して
読んでいくと「へ〜え、なるほど」とうならされます。
ところで、主人公の『うろんな客』とはだれのことでしょう?
それが最大の謎で、読者の興味もそこにあるのです。
何でも壊す、すぐにキレル、眠ったまま夜中に歩きまわる。
出入口の前で寝てしまう。
その他にもやりたい放題、ワガママでめちゃくちゃ。
迷惑きわまりないのに家族は誰一人追いだそうとせず
せっせと面倒を見て、いたずらの後始末をします。
そして最後には
柴田元幸さんは、解説で『うろんな客』の正体を書いています。
英語の勉強にもなりそうですが中学生には高尚すぎるかな。
最後にクスッと笑いがこぼれて、もう一度最初から読むと
それぞれのページがおかしくて人に見せたくなる絵本です
苦虫を噛み潰したような顔をしているお友だちや
変化のない毎日の繰り返しにうんざり顔のあの方へのプレゼントに。
わが家の『うろんな客』も応援よろしく⇒
いつもあったかいコメントありがとうございます!
今日はこちらにお邪魔します♪
うろんな客だ〜〜〜!
いつも立ち読みだけど、好きですよ!
いつか自分のためにゴーリーさんの本は欲しいと思ってます♪
みちこさん、私もリンクさせていただいていいでしょうか?これからもよろしくお願いします☆
シュールな世界観がなんともいえず・・大人の楽しみの絵本といった感じがします。
柴田元幸さんの訳や解説もいいんですよね。
「うろんな客」もぜひ読んでみます。
お返事遅くなってすみません。
是非ともリンクして下さいませ。
こちらこそお願いします。
ゴーリーのカレンダーもあるので
来年はゴーリーカレンダーで1年
過ごすのも面白いかな。
でもルナカレンダーもいいし。
悩みます。
うろんな客どころか、嬉しいお客様です。
これからもよろしく♪
ゴーリーの作品の中でもユーモアに溢れて、暖かい感じで、まことにカワイイんです。
ちょっと変わってますよね、そういう意味では。
どうぞ一読、いや何度でも読んで下さい。
おすすめです。
最近エドワード・ゴーリーの本を一気に色々読んでみたのですが
うろんな客の あの客とは? あの家族の子供に見えてしょうがないのです。
真相はわかりませんが。
ブラックドールというタイトルの本もあるそうですが、これが今一番読んでみたいですね。