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【格闘技】

粟生隆寛が王座転落 ボクシング

2012年10月28日 紙面から

◇WBC世界スーパーフェザー級戦

12回、ディアス(左)のパンチを顔面に浴びる粟生

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 WBC世界スーパーフェザー級王者粟生隆寛(28)=帝拳=が同級4位の挑戦者ガマリエル・ディアス(31)=メキシコ=に0−3で判定負けし、4度目の防衛に失敗した。WBC同級王者内山高志との王座統一戦が来年春にも計画されていたが、これで、夢の頂上決戦も消滅した。

 終了ゴングが鳴ると、粟生は勝利をアピールすることなくコーナーのいすに座り込んだ。ディアスが肩車され「カンピオン」「カンピオン」と喜びを爆発させるシーンとは対照的だった。

 大方の予想に反する惨敗だ。序盤から右ストレートを不用意に浴び、頭がカクンと後ろに反り返るシーンが何度もあった。防御が売りなのに、顔は見る見る腫れ上がり、血に染まった。ディアスのニックネームはバナナ。そのバナナの皮に滑ったわけでもないのに6度もスリップダウン。終始、フラフラしていた。

 試合前は減量の成功をアピールしていたが、本田明彦会長は「減量を始めてからあんな調子。体に力が入らず、キレがない。試合をキャンセルさせようと思ったくらい。でも、本人が泣きながら、やらせてくださいと言うものだから…。原因が分からないからどうしようもない。あれだけスリップしてみっともない」と酷評。さらに「世界を張る資格はない。ボクサーに向いてない。やめるしかない。もう1回やりたいと言ったら? ふざけるんじゃないと言うよ」と、歯がゆさから引退勧告までした。

 粟生は「一からやり直したい」とか細い声でポツリ。高校6冠のエリートが人生最大の壁にぶち当たった。 (竹下陽二)

 

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