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【グラニュース】


6度目の悲鳴、またロスタイム痛恨失点

2012年10月28日 紙面から

名古屋−横浜M 後半終了間際、横浜M・中村(左)のFKが同点ゴールに=豊田スタジアムで(今泉慶太撮影)

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 名古屋グランパス−横浜Mは、1−0から終了寸前に横浜Mに追い付かれ、1−1で引き分けた。グランパスは順位を1つ上げて5位。首位を争う広島、仙台がともに1−1で引き分けて勝ち点を55とし、得失点差で広島がトップを守った。広島はG大阪に先制を許したが、後半の森崎和のゴールで同点とした。2位仙台は赤嶺の先取点を守り切れず、磐田に追い付かれた。浦和はC大阪と0−0で引き分けて勝ち点49の3位。大宮はズラタンのハットトリックなどで柏に4−1で大勝した。

◆名古屋1−1横浜M

 あまりにも悲劇的な、しかしどこか予感めいたものもあったラストプレーだった。後半ロスタイム5分、名手・中村の放った左FKは壁に入った闘莉王の右肩を抜け、必死に伸ばした楢崎の手をかすめてポストを直撃し、ゴール内に転がった。直後に沈黙の豊田スタジアムに試合終了の笛が響き、グランパスの選手たちはぼうぜんとピッチに座り込んだ。ACL出場圏内の3位へ大きく前進するはずだった勝ち点3は、またしても指の隙間からこぼれ落ちた。

 この失点は危険な位置でFKを与えたMF吉田に直接の原因がある。ただ、問題は単純ではない。ストイコビッチ監督が「こんなことは初めてではない。驚きはない」と話したとおり、今季公式戦での後半45分以降の失点は実に「13」を数える。そのうち、勝敗に直結したものは「6」。昨年までと比べても終了間際に暗転する試合の多さは異常と言える。

 原因は何か。一つではないだろう。藤本は「集中力が足りていないのかも」と反省し、阿部は「最大限気を付けているなかで起こってしまう」と首をひねる。もちろん、この試合でFW闘莉王が最終ラインに下がったように、残り5分で1点リードなら守備を固めるのは当然。ただ、玉田が「守りきるという気持ちが強すぎるのかもしれない。もっと余裕を持てれば」と語ったように、今季のグランパスは守備固めに入ることで精神的な余裕を失っているように見える。それが中途半端なクリアや無用なファウルにつながっているのではないか。

 もちろん、金崎が「そこを気にするよりも、自分も含めて2点目、3点目を取れなかったことが大事だと思う」と言ったように、点差があれば大きな問題ではない。ただ、現状は余裕を持って試合を運べないことで、90分間を通して自らの首をじわじわと締め、最後に決壊している。残り4節、この悪癖を克服しなければ、7度目の悲劇を繰り返すことになりかねない。 (宮崎厚志)

 

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