白河桃子×安藤美冬 【第1回】 恋愛文化のない国で、婚活することに意味はあるのか

2012年10月28日(日) 安藤 美冬
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安藤: その背景には、いったい何があるんでしょうか?

白河: 日本には、恋愛コンテンツは非常に多いんですけど、恋愛文化は実はないと思います。ないのに婚活が流行っちゃったので、みんなすごく大変なことになって、おろおろしているのかなと。その中で、婚活に突っ走る人たちがいる一方、逆に、恋愛や異性を徹底的に避けるという人たちも出てきたわけです。

 恋愛文化だけでなく、日本にはカップル文化も存在しないでしょう。秋葉原に行くと、男性同士の待ち合わせがものすごく多いじゃないですか。交差点で見ていて、不思議な感動を覚えましたよ(笑)。で、ちょっと場所を移動すると、レストランには女性しかいない、みたいな状況になっていて。

安藤: 日本にはずっと、恋愛文化もカップル文化も存在しなかったんでしょうか。

白河: 一瞬だけ、恋愛文化的なものが構築されそうな雰囲気になったのは、バブルの時期だけですね。ところが、それもバブルの崩壊と共に、シューッとなくなってしまった。その後に大人になった世代というのは、お父さんもお母さんも恋愛文化の人たちじゃないでしょう。

安藤: そうですね。私の両親もお見合い婚です。

白河: お見合い婚もあるし、あと日本の家庭って、家の中にパパとママがいても、男と女はいないんですよね。その辺、フランス人を見ていると、日本人とはもう全然違うわけですよ。

 恋愛文化がしっかり根づいているフランスと、恋愛文化が存在しない日本。社会からも親からも恋愛が継承されてこないのが日本社会なんです。

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