白河桃子×安藤美冬 【第1回】 恋愛文化のない国で、婚活することに意味はあるのか

2012年10月28日(日) 安藤 美冬
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安藤: バブル時代を知っている40代以上の男性は、自分もたくさん奢られた経験があるせいか、わりと気前よく払ってくれるらしいんです。ところが30代後半の男性になると、一転して、ひどくケチになる。「あの世代はみんなご馳走してくれない」というのが、20代OLの不満の一つだそうです。

 おっしゃるように、「ビタ一文払いたくない」という男性は確かに増えているようですけど、やはりお財布の状況も厳しくなっていて、もう止むに止まれず、ということなんでしょうか。

白河: お財布の事情もあると思いますけど、それより意識の上で「どうして奢らなきゃいけないの?」みたいな人が増えてきています。特に30代後半くらいって、「男女でも割り勘が当たり前」の走りの世代ですからね。

安藤: ええーっ、悲しいですね、それは。

なぜ男女とも性体験率が下がっているのか

白河: 恋愛についても、「面倒くさいし、お金もかかるのが嫌だ」なんて言って、忌避する男性も結構いるんです。でも、その分のお金がAKB48とかに注ぎ込まれているような気もします(笑)。

安藤: 二次元的なアイドルに。

白河: 本来であれば、男性が結婚して家族に費やすはずのお金が、かなり二次元的なコンテンツに流れている。これは、たぶん日本特有の状況だと思います。「二次元の嫁がいい」と公言する男性もいますし。

安藤: 今、20代の男女に聞くと、「異性と一度も付き合ったことがない」と言う人の数がすごく増えているとか、「恋人が欲しい」と答える人がかつてないほど少ないとか、そんな話を読んだことがあるんですが、実際に白河さんが実地に取材されていて、現状はどうなっているんですか?

白河: 10年くらい前から、「男子大学生の性体験率が年々下がっていっている」という話はよく言われていました。経験が「2人以上」という人と「ゼロ」という人と二極化している。女性は年々体験率が増えていたんですけど、最近では女性も落ちてきちゃってる。「日本性科学会」という学会で、2010年のそんな調査が話題になったそうです。大学生くらいで恋愛や男性に背を向けて、あとはそのまま来ている女性が増えているようですね。

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