白河桃子×安藤美冬 【第1回】 恋愛文化のない国で、婚活することに意味はあるのか

2012年10月28日(日) 安藤 美冬
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白河: 国も保障をしていないし、あと、この国ではやっぱり女性がすごく差別されています。

安藤: 差別というのは、たとえば旦那さんにそれなりの稼ぎがあると、女性は働かない方が保険や税金の面で有利だから専業主婦が奨励される、みたいなことですか。

白河: そうです。だから、女性は一度仕事を辞めてしまうと、主婦優遇というところからなかなか抜け出せない。

 だけどこの時代、旦那さんのお給料もどんどん低くなってるじゃないですか。男性1人の働きでは中流家庭を養えないという状況が来ているので、妻も働かなくてはならない。かといって、子供を産んで、仕事と子育てとを両立できるかとなると、その環境もまだ全然整っていないんです。つまり、十分に稼いでくれる男性もいなければ、「2人で稼いで、2人で家事も子育てもしようよ」っていう男性もいない。

 今、日本の女性は本当に辛い状況に陥っているんです。その中で、いかに恋愛し、婚活していくかというのは、実にシビアな問題だと思いますね。

身もフタもない「結婚したい会社」ランキング

安藤: ただでさえ男性の稼ぎが少なくなっているのに、最近だと、パナソニックやソニー、シャープなどの経営が厳しくなって、他にも大規模なリストラをする会社が増えていますよね。そうやって、会社の倒産やリストラが相次ぐ中、女性の婚活もここ数年でさらに深刻化しているんでしょうか?

白河: 間違いなく深刻になっています。この前も、日本家族社会学会で先生たちと集まったとき、「リーマンショックの後に、婚活が身も蓋もなくなった」という趣旨の話をしたばかりなんです。

 そういえば、同じ頃に出た『アエラ』の特集記事でも、「結婚したい会社」というのがありました。ランキング付きで。

安藤: 結婚したい会社? つまり、女性にとって、こういうところに勤めている男性と結婚したいという会社のランキングが出ていたんですか。

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