□幸福実現党党首
--尖閣問題で中国は、理解しがたい奇妙な論理を展開しています
「尖閣国有化は、反ファシズム戦争勝利の成果を否定するものだ」という、習近平氏らの主張が最たるものでしょう。今の中国の政治体制こそファシズムだと言いたいところですが、残念ながら、国内外でこれに同調する動きが見られます。
先般、玄葉光一郎外相が訪欧して尖閣問題での日本の正当性を訴えましたが、南ドイツ新聞は「日本は中国への(戦前の)歴史的な罪を自覚していない」と指摘しました。また、中国の人民網日本語版は「今回の釣魚島問題が生じた重要な背景として、日本の戦争責任への反省が不十分なことがある」(千葉眞国際基督教大学教授)といった日本の有識者の発言を紹介しています。
このように「中国に迷惑をかけた」という意識を引きずっていると、先方はそこを突いて不当な要求をどんどん押し通そうとしてきます。揚げ句の果てに「過去に日本が中国を植民地支配したから、今度は中国が日本を植民地支配する」などと言われかねません。
--そもそも、そのような歴史観は正しいのでしょうか
先の大戦について日本の侵略戦争だったといわれますが、それは戦勝国のプロパガンダに過ぎません。日本は明治維新を経て近代国家となりましたが、清国や朝鮮は近代国家を建設できず、列強から圧迫を受ける危うい状態でした。とりわけ満洲から朝鮮がロシアに支配されると、次は日本が侵略されかねない。そこで日本は満洲に軍隊を送り込み、日露戦争を戦ったのです。戦争に勝利した日本は、清国との条約に基づく満洲での権益をロシアから譲り受けました。日本が10万人の将兵の命と20億円の国費を投入して戦ったことで、清国はロシアに占領された満洲を取り戻せたのだから、日本が権益を引き継ぐのは当然のことと認識されたのです。