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◆フィギュアスケートGPシリーズ第2戦 スケートカナダ第1日(26日、カナダ・ウィンザー)男子ショートプログラム(SP)で、左膝故障から復帰した織田信成(25)=関大大学院=が82・14点で3位発進した。ハビエル・フェルナンデス(スペイン)が85・87点で首位に立ち、世界選手権王者のパトリック・チャン(カナダ)が82・52点で2位。女子SPは17歳の村上佳菜子(中京大中京高)が56・21点で4位、昨季世界選手権3位の鈴木明子(27)=邦和スポーツランド=は55・12点で5位と出遅れた。
冒頭の4回転―3回転トーループの高さに観客がどよめいた。故障した左足のつま先で踏み切るジャンプを決め、織田は「集中していた。落ち着いて滑れた」と完全復活をアピールした。
10か月ぶりの復帰戦だった9月末のネーベルホルン杯では転倒した4回転を成功させると、「高揚感を覚えた」と興奮し過ぎて、次の3回転半ではふらついたが、伸びやかなステップとスピンは初めて最高評価のレベル4をそろえた。プログラムの完成度は「まだ75点くらい」としながらも、世界王者のチャンを上回る技術点を獲得した。
昨年5月に判明した左膝腱(けん)の部分断裂で昨季は11月のフランス杯を最後に休養。医師からは手術しても回復の見込みがないと言われたが、大阪・高槻市の自宅から何度も上京し、酸素カプセルや赤外線治療など「できる限りのこと」を試みた。2月末に氷上練習を再開し6月には4回転を跳べるまで復活。「膝の痛みはほとんど感じない。調子はすごい良い」と万全に近い状態で開幕を迎えた。
2歳になった長男・信太朗くんの存在も励みとなり、「『パパ、大好き』が一番大好きな言葉」と笑う。首位のフェルナンデスとは3・73点の小差。「かっこいいオヤジの姿を見せたい」と話すイクメンスケーターは、2位だった昨季の中国杯以来となるGP表彰台を目指して突き進む。
(2012年10月28日10時09分 スポーツ報知)