２５日午後１１時５０分ごろ、大阪府和泉市和田町の路上で、「男に刺された」と男性から１１９番があった。府警和泉署によると、近くの金属加工業、岡和生さん（５３）が胸と腕を包丁で刺され、搬送先の病院で死亡した。一緒にいた弟の茂利さん（５１）も左腕を切られて軽傷を負った。約４０分後の２６日未明、府警北堺署に「私が刺しました」と男が出頭し、府警は殺人容疑で緊急逮捕した。

　府警によると、男は大阪市平野区喜連西６、無職、杉本太郎容疑者（４９）。「岡さんと前からトラブルになっており、持っていた包丁で刺した」と容疑を認めている。杉本容疑者は事件直前、岡さん宅を突然訪問し、就寝中だった岡さんと玄関先で口論になり、いきなり包丁で刺したという。同居の茂利さんは、２人の言い争う声に気付いて止めに入った際に負傷した。

　杉本容疑者は２１日深夜にも岡さん宅に押しかけたが、岡さんは留守だった。代わって応対した茂利さんに岡さんは「（杉本容疑者とは）関わるな」と注意していたという。

　現場は泉北高速鉄道和泉中央駅の東約１．５キロの閑静な住宅街。近所の男性（４９）は「風呂に入っていたら男の叫び声が聞こえた。こんな住宅街で事件が起きるなんて怖い」と不安そうだった。【武内彩、三上健太郎、山下貴史】