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まず、全国都道府県の警察官採用試験を受けて警察官になった人はみんなこの巡査からスタート。一般の会社ではじめは平社員から始まるように、ようは一番下の階級である。全国都道府県の警察官採用は大卒、短大卒、高卒と三つに分けて採用しすべての人が警察学校卒業後、巡査として配卒されるが、この三つの違いは巡査部長昇任試験の受験資格。大卒は巡査配卒後一年、短大卒三年、高卒は四年の実務経験が必要と巡査採用の違いによってだいぶ差がある。 |
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この巡査長というものは実際は警察官の階級ではなく、巡査経験の長いものにを士気高を揚目的に与えられるもので、配卒後十年をめどに巡査部長になれない場合与えられるもの。
“こち亀”こと、「こちら亀有公園前派出所」の主人公両さんはこの巡査長。 |
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巡査になってまずはじめに経験する昇任試験がこの巡査部長。巡査のところで言ったように、採用の違いによってだいぶ受験資格も変わる。特に警視庁や大都市の府県警の巡査部長昇任試験はかなりの競争率で100倍とも200倍ともなるらしい。この巡査部長昇任試験合格後は管区警察学校で6週間の講習を受け警察昇進の第一歩を踏む。
警察庁は国家公務員U種試験合格者を毎年10名ほど採用し、採用者はこの巡査部長からスタートする。彼らは準キャリアと呼ばれ、ノンキャリアと呼ばれる都道府県警察官採用者は昇進後とに試験を受けなければならないが、彼らは年功序列に昇進して最高は警視長まで行くようだ。 |
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巡査部長昇任試験合格後、次なるは警部補昇任試験。これも巡査部長昇任試験と同じく受験資格がはじめの採用によって異なり、大卒で一年、短大卒二年、高卒四年となる。この警部補、そして次の警部昇任試験合格後は警察大学校で講習を受ける。この警察大学校とは学校教育法で決まっている一般大学(東京大学、早稲田大学など)、他の省庁のもつ大学(運輸省気象大学校、国税庁税務大学校など)の大学とは違って外部からの受講生は一切受け入れず、一切が警察内部だけの教育機関となっている。
警察庁によって採用されるキャリアと呼ばれる国家公務員T種試験合格者はなんと採用後すぐにこの警部補になるのだ。そのうえ、三ヶ月の初任幹部課程、九ヶ月間の警察署での実務の時点で警部に昇進。このキャリアは年功序列に昇進し、その中の一人が後々の警察庁長官になる。都道府県警察官採用試験で入ってきた警察官と比べると、キャリアはとんとん拍子に超スピード出世の道を歩んでいく。 |
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“ルパ〜ン待て〜ぃ逃がすかぁぁぁ”でおなじみの銭形警部は、まさにこの役職。この警部から昇任試験の受験資格が大卒、短大卒、高卒ともに警部補合格より四年の実務経験になり差が無くなる。キャリア、準キャリアは別としてここまで昇進するのは結構大変。銭形警部もきっと昇任試験に向けて猛勉強したんだろう。案外、彼はキャリアだったりして... |
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この警視から上の昇任はすべて選考でおこなわれる。平均してキャリアが25〜26歳、準キャリアが35歳6ヶ月で警視になるのに対し、ノンキャリアではすべての試験を問題なく一度でパスしたと考えて平均で40歳程度になってやっとここまでくることができる。警視とは小さい警察署で署長レベルの階級で、ノンキャリアでここまでくるのはほんの一握り。 |
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巡査から警視まで所属は各都道府県の地方公務員だけど、なんとこの警視正から所属が国家公務員となる。もうここまでくるとほとんどノンキャリア出身者はいなく、大半はキャリヤ、準キャリア組みによって占められるようになる。大きな警察署の署長はたいがい警視正。さすがにエリート国家公務員だけあって階級章も全面金ピカ!!! |
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警視庁と発音は同じだけど、これもひとつの上級階級。ノンキャリアでここまできたならば、これはもうスーパー大出世、めったにノンキャリア組みがこの警視長になることはない。警察法施行規則にはこの警視長(警視正をふくむ)で545人と決められていて全国26万人の警察官で本当に微々たる物。小さい県警本部の本部長にはこの警視長が就く。 |
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この警視監は警視長とくらべるとさらに少なくなってたった20人。もちろんほとんどが国家T種を合格したキャリア組みによって占められるが、準キャリア組みも一部この警視監になることがあるらしい。この20人の中からのちの警視総監、警察庁長官が選ばれることになる。主に警視庁を除いた政令指定都市のある9府県の本部長はこの警視監。 |
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全国26万の警察官の中でただ一人、警察官の階級としては最高の警視総監。警視総監は警視庁の警察本部長で日本の首都、東京の警察の本部長として最も高い位になっている。キャリア組みの出世競争で生き残った一人がこの椅子に座れる。 |
長官 |
法律上は階級外だが警察庁長官を忘れてはいけない。この職もキャリア組みの特等席だが警察庁、警視庁及び道府県警の監督、指示をだす長官であって警察官ではなくなる。他の省庁の大臣、長官同様内閣に近い位置にいて政府の指示を的確に警察庁にあたえる職を担う。オウム事件で有名になった国松長官を見てわかるように警察庁長官は事実上日本警察26万のトップなのだ。 |