そろそろバカな就活をやめようではないか
本連載の元になった書籍『就職は3秒で決まる。』は、いわゆる就活成功のためのマニュアル本とは一線を画す。マニュアル本とは、「あれをした方がいい」「これをした方がいい」と“すべきコト”を並べ、就活生を最終目的=就職まで導く。
ところが本書は、あえてその逆。「あれはしない方がいい」「これはやめた方がいい」といった具合に“すべきでないコト”を中心に解説しながら、最終目的を目指す。人が嫌いなことをすれば、嫌われるのは当たり前。それは面接も同じこと。総じて就活生は、すべきでないコトを平気でやってのけ、それを正しいと信じて疑わないため、面接官に嫌われる。ここで大きく発想を逆転させる。
すべきでないコトを、しないようにする就活。こちらの方がはるかに面接官に喜ばれるに違いない。なぜなら面接官は、似たような就活生にうんざりしているから。そんな彼らの心境を考えれば「すべきでないコトを、しないようにする」方が、よほど賢い戦略であるはず。
「今思えば、バカな就活をしていたよなあ。今なら絶対、あんなやり方はしない」。大人たちは時々、就活の苦労話に花を咲かす。あんな時代もあったねと、みんな懐かしい笑顔に戻る。
でも、何がバカだったのか。どうすればバカな就活を避けることができるのか。そもそも、バカでない就活とは……。という肝心の部分を、大人は就活生を含む子どもたちに伝えていない。その話をすれば、どれだけバカな就活を避けることができるだろう。そろそろバカな就活をやめようではないか……。
[荒木亨二(荒木News Consulting),Business Media 誠]