放射性セシウム:コメ全袋検査で、下限未満でも高く判定 会津の産地、県HP修正求める 測定値にぶれ「風評招く」 /福島

毎日新聞 2012年10月26日 地方版

全袋検査で25〜50ベクレルと判定され、会津若松市が再検査のために保管している玄米
全袋検査で25〜50ベクレルと判定され、会津若松市が再検査のために保管している玄米

 コメの全袋検査で、実際は放射性セシウムが測定下限値(1キロ当たり25ベクレル)を下回っているのに、それ以上と判定された例が主要産地の会津地方で3自治体12点あることが分かった。ベルトコンベヤー式検査器の測定値のぶれが原因で、会津若松市などは「かえって風評被害を助長する」と、県にホームページ(HP)で公表される数値の修正を求めている。【乾達】

 同市のコメは、市独自で昨年検査した255点、今年の県のモニタリング検査55点全てで検出限界値未満だった。市の独自検査は精度の高いゲルマニウム半導体検出器で計測されたものだ。ところが、全袋検査で25ベクレル以上が続出したため、30ベクレルと判定された1点を検出器で再検査したところ検出限界値の10ベクレル未満と大きな差が出た。

 新潟県境の西会津町も最大42ベクレルと判定された10点を調べ直したところ全て検出限界値未満だった。磐梯町でも30ベクレルの1点が5・7ベクレルと大幅に低くなった。

 この他にも、喜多方市では全袋検査で25ベクレル以上と判定されたコメ袋を数回同じ検査器にかけたところ、全て25ベクレル未満と表示されたといい、測定値にぶれが出ている。メーカーによっても精度の違いがあり、猪苗代町では町内で測ったものは全て下限値未満なのに、業者が他市に持ち出し違うメーカーの検査器で全袋検査したものは10点が25ベクレル以上になったという。指摘を受けたメーカーの一社は「基準値の100ベクレルを超える可能性がある袋をはじく機械で、数値測定を目的としたものではない」と説明する。

 HPでは、24日までの会津地方の全袋検査は25ベクレル未満約188万点に対し、147点が25〜50ベクレルと判定され、自治体が測定し直した12点も含まれたまま。

 県水田畑作課は「検査の目的は100ベクレル超えを見逃さないことで、本来より高く出ているのなら問題ない。測定値には誤差があるが、消費者の懸念解消には検査の合格だけでなく、内容を示すことも必要なため、参考値として公表している」と説明。今後は精度の高い検出器で測定し直したコメは確定値とみなし、HPの数値の修正にも応じる方針だ。

 会津若松市などは修正が認められれば、残るサンプルも再検査する予定だが、すでに流通し検査できないものもあるという。

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