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放射性廃棄物の長期保管手法を開発
10月26日 4時9分

放射性廃棄物の長期保管手法を開発
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福島などで放射性物質を含む汚泥や焼却灰などの保管が深刻な問題となるなか、北九州市立大学などの研究グループが、高い濃度の汚染廃棄物を低コストで長期保管する手法を開発し、環境省は、近く、保管技術としては初めて実用化に向けた実証試験を行うことを決めました。

この手法は、北九州市立大学の伊藤洋教授らの研究グループが開発しました。
ポリエチレンで出来た高さ15センチほどの建材に土砂などを詰めて、汚染廃棄物の周りに階段状に積み上げ、囲いを作ります。
さらに上下に吸着剤を置いて放射線を遮蔽する仕組みです。
この手法で高さ3メートルほどの囲いを作り、1キロあたり4万6000ベクレルの放射性物質を含む汚泥で実験した結果、97%以上の放射線量を遮蔽する効果が確認できたということです。
保管する廃棄物の量に応じて大きさが調整できるうえ、設置費用は廃棄物1立方メートル当たり1万5000円程度と比較的安く、研究グループは50年の長期保管も可能だとしています。
この手法について、環境省は、近く福島県で実証試験を行うことを決め、実用化に向け効果や経済性などを検証することにしています。環境省によりますと、保管技術の実証試験はこれが初めてだということで、伊藤教授は「焼却灰や汚泥だけでなく、将来的には福島第一原発の敷地内にある高レベルの廃棄物の遮蔽にも応用したい」と話しています。

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