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歌手の桑名正博さん死去
10月26日 22時30分

歌手の桑名正博さん死去
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昭和50年代に「セクシャルバイオレットNo.1」などのヒット曲で一世をふうびしたロック歌手、桑名正博さんが呼吸不全のため、26日昼ごろ、大阪市内の病院で亡くなりました。
59歳でした。

桑名正博さんは大阪市出身で、昭和46年にアメリカで音楽を学び、帰国したあとロックンロールバンド、「ファニーカンパニー」を結成し、関西地方を中心に活動を始めました。
3年後に解散したあとソロ活動に力を入れ「月のあかり」などを発表し、このうち、昭和54年に出した「セクシャルバイオレットNo.1」は、化粧品メーカーのコマーシャルソングに起用されるなどして大ヒットし、その渋い歌声は「桑名節」と呼ばれて人気を集めました。
昭和55年には歌手のアン・ルイスさんと結婚して注目を集めたほか、俳優としてドラマや映画、舞台などにも出演して、活動の幅を広げました。
桑名さんはことし7月15日未明、脳幹出血で大阪市内の自宅で倒れ、意識不明の状態で入院先で治療を受けていました。
桑名さんの家族は当初、回復の見込みは難しいとして、いったん延命の措置を行わない選択をしましたが、ことし8月、桑名さんの呼吸を補助するため気管を切開する手術を行うなど、闘病生活に備えて、家族が治療方針について主治医にたびたび相談していたということです。
しかし次第に呼吸が弱くなり、26日昼ごろ、呼吸不全で亡くなったということです。
通夜は今月29日、葬儀は今月30日に、いずれも大阪・阿倍野区の「やすらぎ天空館」で営まれることになっています。

“やはりすごいオヤジ”

桑名正博さんの家族や関係者が集まった大阪・港区の寺には、息子でミュージシャンの美勇士さんも駆けつけました。
美勇士さんは、桑名さんが倒れてから3か月以上に及んだ闘病生活を振り返り、「医者からは、2週間以上もった例を見たことがないと言われていた。やはり桑名正博はすごい、よく頑張ったと思う」と話しました。
そして、今月30日の葬儀のあと、大阪の御堂筋をひつぎを乗せた車でパレードする計画について、「オヤジは派手で破天荒で豪快な人で、大勢のファンに囲まれるのが好きだった。パレードでは、1人でも多くの人に見送りにきてほしい」と話していました。

“戦友のような関係だった”

ロック歌手の桑名正博さんが亡くなったことについて、同じ大阪のライブハウスで活動するなど、40年近くのつきあいがある歌手の上田正樹さんはNHKの取材に対し、「彼とは同じ時代に同じ場所で音楽をやってきた、『戦友』のような関係でした。年齢を重ねてからもお互いがやってきた音楽について、2人でこれからもっと語り合いたかったです。彼ももっとやりたいことがあったと思いますが、こんなに早く亡くなって、すごく、すごく残念です」と話していました。

“人間としての優しさ持っていた”

桑名正博さんが亡くなったことについて、30年来のつきあいがあり、一緒にチャリティーコンサートを開くなど親しくしていた歌手の西城秀樹さんは「ロックで、不良で、人一倍やんちゃで、そして誰よりも人間としての優しさを持っていた男でした。いまだ信じられません。同世代を駆け抜けた仲間としてとても残念です。ご冥福をお祈りいたします」というコメントを出しました。

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