全日本プロレス21日の愛知・名古屋国際会議場大会で行われた3冠ヘビー級選手権は、王者の船木誠勝(43)が大森隆男(43)の挑戦を退けて2度目の防衛に成功した。船木は新日プロに殴り込みをかけた桜庭和志(43)と柴田勝頼(32)にIWGPヘビー級王座奪取を指令。戦友たちとの3冠、IWGP王座統一戦の実現を訴えた。
圧勝だった。胸板へのチョップで先制攻撃を仕掛けてきた大森に、船木は浴びせ蹴りを見舞って流れを断ち切った。アックスボンバーもカウンターの右ハイキックで阻止して掌底を連射し、再度の浴びせ蹴り。最後は必殺のハイブリッド・ブラスターで沈めた。
わずか6分33秒で完勝。試合後には、大森の持つ世界タッグ王座のパートナー、征矢学(27)があだ討ちに決起。船木は征矢が敗北した場合、大森とのコンビ解散を条件に受諾。12月11日の長野大会でのV3戦が確実になった。
もちろん王者は、まだまだ王座を明け渡すつもりはない。成し遂げたい大きな野望があるからだ。「桜庭も柴田も試合をできる機会ができてよかった。試合をしないと生活していけませんから。彼らにはIWGPを取ってほしい。IWGPと統一したい。今までになかったことをやりたいので」(船木)
2007年に柴田との総合格闘技チーム「ARMS」を発足させた船木は、同年の大みそか「Dynamite!!」で桜庭を相手に現役復帰。船木の全日プロ入団(09年8月)に伴い、柴田を桜庭に預けたが、3人の絆が消えることはなかった。船木が全日入りを決断した際も、「格闘技とプロレスに線引きしない方がいい。一緒に行く?」と誘ったという。
結果的に桜庭と柴田が選んだのは新日プロだったが、新日と全日プロの友好関係は継続中で、05年2月には3冠&IWGPのダブルタイトル戦が行われた。船木が熱望する“4冠統一戦”が実現する可能性はあり「合同大会をやったりしてるので『同じ大会に出るかもしれないね』という話はしましたね。今は、2人は居場所を作るので必死でしょうから。周りに流されずに頑張ってほしい」。夢の実現へ負けられない戦いが続く。

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