中国資本・金融収支は2期連続赤字、政府は資本流出リスク否定
[上海/北京 26日 ロイター] 中国国家外為管理局(SAFE)は26日、第3・四半期の資本・金融収支が710億ドルの赤字になったと発表した。世界経済が不安定になるなか、投資家が資金を引き揚げたことから2四半期連続の赤字となった。
経常収支は706億ドルの黒字だった。
年初からの累計では、資本・金融収支が854億ドルの赤字、経常収支は1478億ドルの黒字だった。
経常黒字は対国内総生産(GDP)比2.6%で、前年同期の水準から0.3%ポイント低下した。SAFEは「国際的に許容される範囲」に収まったとの認識を示した。
この日発表された数値は速報値で、修正される可能性がある。
SAFEは統計と合わせて当局者による声明を発表し、資本逃避リスクを重視しない立場を示した。当局者の名前は明らかになっていない。
声明は「資本・金融収支の赤字は国際金融危機や国内経済の減速に起因している」と説明した。
国内企業はドル建て預金を積み増したり、海外投資向け外貨購入を増やしており、一部輸入業者は海外の取引先への外貨建て支払いを遅らせているとしている。
貿易を通じて得た外貨を人民元に交換せず、国内金融機関や個人が保有することが増えていると指摘。「こういった(外貨)資産は必然的に海外で投資や借り入れに使われたり預金されたりする。資本・金融収支上は資本流出としてみなされるが、資本逃避と同等に扱うことはできない」との認識を示した。
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