JUKI事件（平成20年不第53号）の命令書交付について

平成24年9月25日
労働委員会事務局

　当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。
　命令書の概要は、以下のとおりです（詳細は別紙）。

1　当事者

　申立人　全労協全国一般東京労働組合（以下「組合」という。）
　被申立人　JUKI株式会社（以下「JUKI」という。）

2　事件の概要

　組合員Xは、昭和59年にJUKIに入社したが、平成19年4月1日、同社の家庭製品販売事業が会社分割により分社化されたことに伴い、JUKI家庭製品株式会社（以下「家庭製品社」という。）に労働契約関係が承継され、翌20年4月30日に、家庭製品社の解散を理由に解雇された。
　組合は、20年5月1日、Xの雇用保障を求めてJUKIに対し団体交渉を申し入れたが、同社は、法律上Xの雇用者ではないとしてこれに応じなかった。
　本件は、JUKIが、組合からの20年5月1日付団体交渉申入れに応じなかったことが、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否かが争われた事案である。

3　命令の概要　全部救済命令

＜主文（要旨）＞
　被申立人JUKIは、申立人組合が平成20年5月1日付けで申し入れた団体交渉に応じなければならない。

4　判断のポイント

　JUKIは、単なる株主としての地位を越えて、家庭製品社の従業員の基本的な労働条件について、現実的かつ具体的に支配力を及ぼしていたことが認められ、労働組合法第7条にいう「使用者」に当たる。
　したがって、JUKIが、組合からの平成20年5月1日付団体交渉申入れに、法律上Xの雇用者ではないとして応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たる。

※別紙　命令書の概要