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政治
【正論】東京基督教大学教授・西岡力 許せぬ拉致担当相「猫の目人事」
≪官邸、北統一戦線部と接触?≫
松原氏はさすが専門家だけあって、就任以来、「ご家族が亡くなってから拉致被害者が戻ってきても拉致問題の解決にならない。しかし、北朝鮮が死亡していると言っている人間が、仮に生きているということがあっても、責任は問わない」という的確なメッセージを北朝鮮に発信し続け、意思疎通のルート作りに動いた。
野田首相はしかし、松原氏を外した別ルートで北朝鮮の統一戦線部と接触したという。拉致を棚上げにし戦没者遺骨問題などで日本の支援や制裁解除を狙う謀略機関である。今、拉致問題を議題とする局長級協議の早期開始を求める日本に、首相は約束を守れと北朝鮮が迫っているという。
圧力をかけつつ拉致被害者の帰還などを実現させた場合のみ、支援や制裁解除で応じる「行動対行動」を貫くことが対北交渉の鉄則だ。野田首相は閣内でそう唱えてきた松原氏を切り、田中氏を後釜に据えた。野田官邸には、中山補佐官のような人物がいないばかりか、親北と目される議員が今回、補佐官に任命された。
最近、野田書簡が北朝鮮に送られたという情報が流れているが、人気取りの次元で拉致問題を利用するのなら、野田政権は拉致を軽視したという批判のみならず、国民の命と国の主権を蔑(ないがし)ろにしたとの非難をも浴びるだろう。(にしおか つとむ)
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