政治【正論】東京基督教大学教授・西岡力 許せぬ拉致担当相「猫の目人事」+(2/3ページ)(2012.10.26 03:19

  • [PR]

政治

  • メッセ
  • 印刷

【正論】
東京基督教大学教授・西岡力 許せぬ拉致担当相「猫の目人事」

2012.10.26 03:19 (2/3ページ)正論

 ≪一貫性あった自公政権時代≫

 自公政権時代、担当相は官房長官が兼任し、担当の首相補佐官が置かれた。安倍、福田康夫、麻生太郎と3代の首相にわたって、中山恭子氏(現参議院議員)が補佐官を務め、官房長官交代に伴い担当相が代わっても、取り組みには一貫性があった。中山氏は当初、補佐官と事務局長を兼ねた(福田政権末期の2カ月間は担当相に就任)。官房長官が担当相を兼ね、内閣方針を各省庁に徹底しやすい態勢で、官房機密費という情報予算も臨機応変に使えた。

 政権が民主党に交代するや、担当相は、国家公安委員長か法相の兼任となり、「政治主導」の看板が反映されてか、事務局長も務めることになった。初代担当相は中井洽氏だった。ベテラン議員らしい政治力もあり、予算を倍増させて、増額分の多くを情報費に使うとされた。だが、情報費を一般予算化してしまったことで匿名性、機動性の面で動きにくくなり、結局、情報費の予算執行率は5割を切る状態が続いている。中井氏と事務局との一体感が生まれない中で鳩山由紀夫首相が退陣すると、菅直人政権は就任わずか1年の中井担当相を交代させた。

 そこから猫の目人事が始まる。2代目の柳田稔氏が法相としての失言により2カ月で辞めた後、菅首相は、「たちあがれ日本」との連立を狙って2カ月ほど仙谷由人官房長官に兼任させ、連立交渉が不首尾に終わるや、兼務を解いて中野寛成氏を起用した。

 事務局との一体感も生まれ安定した仕事ぶりを見せていた中野氏は、次の野田佳彦政権成立とともに山岡賢次氏に交代させられた。野田人事の失敗の始まりだった。拉致問題にはほとんど関わっていない山岡氏は、担当副大臣に国土交通副大臣の松原仁氏を持ってきたが、マルチ商法問題などで問責決議を受けて4カ月で退任する。後継したのが松原氏だ。

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2012 The Sankei Shimbun & Sankei Digital