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政治
【正論】東京基督教大学教授・西岡力 許せぬ拉致担当相「猫の目人事」
拉致問題担当相を兼務し、命をかけてこの問題に取り組むと公言した田中慶秋法相が、就任1カ月足らずで辞任に追い込まれた。外国系企業から献金を受け、暴力団との交際があったうえ、国会出席を逃げたのだから当然とはいえ、このあっけなさ、言葉の軽さは何なのか。しかも、今年1月に担当相に就いて以来、精力的に動いてきた松原仁氏を突然、田中氏に代えての、この結末である。同氏の後任の担当相は藤村修官房長官が兼務するという。民主党政権になって何と8人目である。
≪本気度疑われる田中法相辞任≫
拉致被害者家族会の代表らは次のようにコメントした。
「茶番劇みたい。こういう場面を長く見ていると、首相が本当に拉致問題を解決する意思があるのか疑ってしまう。問題を積極的に動かしてくれる人ならば、誰でもいい。担当相を置かなくても首相が直轄でやってくれれば、それでいい」(飯塚繁雄代表)
「短い期間で交代すると、北朝鮮はしばらく(交渉を)見合わせる。解決が延びてしまうので、残念だ」(横田滋さん)
「ただうんざりしている。どうして、こんなにコロコロ代わるのか。何を信じていいのか分からない」(横田早紀江さん)
筆者も全く同感である。
拉致問題担当相は平成18年、安倍晋三首相が新設した。拉致問題に長く取り組んできた安倍氏は就任するや、全閣僚が参加する拉致問題対策本部をつくり、首相を本部長とし、専属の事務局を内閣官房に置いて独自予算を付けた。対策本部は民主党政権になって改組され、本部長である首相、官房長官、外相、担当相の4人構成に縮小されたが、専属事務局、独自予算の体制は継承された。
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