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政治
自民・安倍体制1カ月 「弾込めはできた」が…解散戦略の視界は不鮮明
安倍氏は政権奪還に向け、谷垣禎一前総裁時代に自民党の弱点とされた発信力の強化を急いでいる。執行部のメディアへの露出の機会を増やし、安倍氏自身も北海道から鹿児島まで駆け回った。この1カ月の総移動距離は「選挙期間中に匹敵する」(党職員)1万5073キロにのぼる。
17日に党本部で開かれた議席を失っている支部長との会合では「全員が再び国会で国のために仕事ができるように私も全力を尽くす」と決意を示した。総裁選で激しく争った石破氏とも定期的に昼食をともにするようにしている。衆院解散を前に党内の足並みが崩れれば、谷垣執行部の二の舞いになるという懸念があるからだ。
自民党を支持してきた保守層へのアピールもぬかりない。教育委員会制度や教科書検定・採択のあり方を検討する「教育再生実行本部」を党内に設置。靖国神社へは秋季例大祭にあわせて参拝した。安倍氏は25日、遊説先の鹿児島県南九州市内で「われわれの主張が国民に理解されている実感はある」と胸を張った。
ただ、臨時国会では問題閣僚を追及して首相の任命責任などを徹底攻撃する構えだが、年内解散が遠のけば党内の風当たりも強まりかねない。今のところ世論からも強い追い風を受けている安倍氏だが、早速試練が待ち構えている。(峯匡孝)
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