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【今、学校で いじめ絶つには】(3)冷淡な司法「教育現場の隠蔽助長」
2012.10.23 14:50
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「不当判決だ!」
今年7月9日、東京・霞が関の東京地裁103号法廷。提訴から5年半に及んだいじめ自殺訴訟を終え、閉廷した法廷内の静寂を破ったのは遺族側代理人の児玉勇二弁護士(69)の怒りに震える声だった。
平成17年10月、埼玉県北本市の中学1年、中井佑美さん=当時(12)=は遺書を残して自宅近くのマンション屋上から飛び降りた。遺書には《クラスの一部に勉強にテストのせいかも》と書かれていた。
一見、意味不明ともとれるが、遺族は、人のことを悪く言うことのない娘が必死に思いを訴えたものだと思った。だが、あいまいな文面がゆえに、自殺といじめの因果関係については「わからない」とされた。
その後、教師との交換日記などから同級生に顔を便器に押しつけられそうになったり、「うざい」「きもい」と言われたりしたいじめが浮かび上がった。
両親は「いじめはなかった」と主張する市と国を提訴したが、裁判所は両親が訴えるいじめについて「不愉快な思いを抱くことがあっても自殺原因とまで認められない」と消極的に評価し、訴えを全面棄却した。
国立教育政策研究所の滝(たき)充(みつる)総括研究官(58)は「『うざい』などの言葉の暴力は状況次第でたった1回でも自殺につながることもありうる」と指摘する。
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