- [PR]
ライフ
【今、学校で いじめ絶つには】(2)遺族の心情「命続く限り知りたい」 小6女子自殺、7年前から時止まったまま…
2012.10.22 08:53
(1/3ページ)
7年前から時が止まったままの子供部屋は、祭壇に供えられた白いユリの花が香っていた。北海道のほぼ中央に位置する滝川市。いじめを苦に自殺した小学6年の松木友音(ともね)さん=当時(12)=の大叔父、木幡幸雄さん(64)は遺影の前で声を絞り出した。
「学校で本当に何があったのか知りたい」
平成17年9月、友音さんは教室で首をつって自殺を図り、翌年の1月に亡くなった。修学旅行の班分けで仲間外れにされるなどのいじめがあり、教壇には家族や加害児童らへ宛てた7通の遺書が残されていた。
《悲しくて苦しくて、たえられませんでした。なので自殺を考えました》
自殺直後、市教委は「いじめはなかった」と発表。遺族へ十分な報告を行わなかった。「いじめを認めないマニュアルでもあるのではないか」。木幡さんは加害児童たちの家を訪ね、通学路に立って話を聞くなど自分で動くしかなかった。
遺族が市と国を訴えた裁判は22年に和解が成立した。「担当教諭らが注意深く観察し、情報共有していれば、いじめを認識できたはずで、自殺を防げた可能性が十分ある」。和解内容は学校側の責任を認めることや第三者調査機関の設置など再発防止策が盛り込まれた画期的なものだった。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]