石原氏が「新党結成」を発表したのを受け、民主党執行部は離党予備軍の動きに神経をとがらせている。新たに9人が離党すれば与党が衆院で過半数割れするなか、「石原新党に合流を希望する議員は十数人はいる」との見方が浮上している。
「選挙で勝てそうだから、得だからということで(党を)移るということは、議員の本質的な役割としてあるべきではない」
民主党の細野豪志政調会長は25日、離党の動きをこう牽制した。
次期衆院選では、民主党の惨敗が確実視されており、若手議員を中心に離党願望は強い。民主党は活動費300万円を現金で配るなど引き止め工作に躍起だが、党内では「東京や大阪の小選挙区、比例南関東の議員ら7人が離党届の準備をしている」という噂が飛び交っている。それ以外にも、保守系議員が石原新党に合流するのでは、との観測もある。
民主、国民新両党の統一会派は現在248議席。9人が離脱すれば、過半数(239議席)を割り込み、臨時国会中にも野党提出の内閣不信任案が可決される。「嘘つきドジョウ」と揶揄(やゆ)される野田佳彦首相が「衆院解散」か「内閣総辞職」に追い込まれる場面もあり得るのだ。