敦賀市の中心街から南西へ約四キロ。宅地化の進展による児童数の増加が著しいことから、その過密化の解消を目的に一九七五(昭和五十)年十月、新設が決まった。開校は翌年四月。
以前からこの校区に住んでいる家と、この地に移り住んだ家が混在する地域の特性を受け、同校は昨年から「愛郷心教育」に力を入れている。「ふるさとを愛する心が家族愛、学校愛、友情にもつながる」(広瀬愃校長)というのが理由だ。具体的には、目の前にそびえる野坂山での自然体験学習や、公民館などを巡る探検学習、地域に目を向けることを意識した遠足など。児童会長の六年、橋本麻美さん(12)は「学習を通じて粟野地区が好きになった。秋の野坂山は紅葉など自然がいっぱいで、ここにしかない植物があることも知りました」と話す。
児童数五百四十一人の大規模校。宅地化は今も続くが、昔の農具など約五十点を教室に展示し、地域の人たちがどのような暮らしぶりだったかを振り返っている。
(写真・福田 正美、文・池上 浩幸)