養殖カキ:宮城県沿岸部 出荷を解禁
毎日新聞 2012年10月15日 11時26分(最終更新 10月15日 11時59分)
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県沿岸部の養殖カキの出荷が15日解禁された。同県石巻市渡波(わたのは)にある県漁業協同組合石巻湾支所の共同かき処理場では同日朝から、約200人の作業員が1.5トン分を小刀を使って手際よく殻をむいた。市場に運ばれ出荷される。県漁協の高橋文生(ふみお)・かき部会長(62)は「今年のカキは、大変だった昨年3、4月に必死で世話したもの。全国の皆さんに味わってもらいたい」と話した。
一方、小規模漁港では、自前で処理場を再建して出荷にこぎつけた漁師も。同市・牡鹿(おしか)半島の月浦(つきのうら)では、佐藤治さん(51)が、流失した自宅跡に建てたプレハブのカキ処理場で家族でカキをむいた。「カキをむける喜びは言葉にならない」
県漁協によると、今年の生産量見込みは震災前の約3割の約1000トン。それでも昨年の約200トンからは大きく回復しそうだ。【竹田直人、宇多川はるか】