ソフトバンクが米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収する。ソフトバンクは携帯事業の売上高で世界3位に浮上し、さらに次の再編も視野に入れる。同社は国内4位のイー・アクセスの買収を決めたばかり。日米同時で進める買収劇の舞台裏には、米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の存在がある。
「自信があります」。ソフトバンクの孫正義社長は10月15日のスプリント買収会見で、この言葉を何度も繰り返した。株式市場は5期連続の最終赤字に苦しむスプリントの買収に201億ドル(約1兆5700億円)もの資金を投じることを不安視。ソフトバンク株が急落するなか、孫社長は成功への自信を力説した。その根拠は「スプリントがすでに自律的な業績回復基調にある」というものだった。
スプリントの業績悪化と株価低迷の要因の1つはiPhone販売だ。スマホ販売が世界で最も多い米国では、人気機種であるiPhoneの売れ行きが携帯電話会社の業績を大きく左右する。スプリントはiPhone販売で先行したベライゾン・ワイヤレス、AT&Tの大手2社に水をあけられ苦戦。2011年秋にようやくiPhoneの取り扱いをアップルから勝ち取った。しかしその条件は4年間で3000万台をアップルから買い取ることだった。在庫リスクの高い大量購入契約に株価は急落。スプリントの信用力をさらに低下させた。
スプリントは「4S」に続く「5」の発売で契約獲得を急回復させている。だが業績を大きく改善するには至っていない。これは米国独特の会計ルールに原因がある。米国も日本と同様に安く設定した端末料金を通信料金で回収するモデルだが、米国の場合、端末販売時に差額をいったん赤字計上するルールがある。このためiPhoneが売れれば売れるほど、短期の赤字幅が膨らむ構図だ。
ソフトバンクはここに目を付けた。端末販売に伴う赤字分は通信料金で返ってくるため、中期的には業績を押し上げるドライバーになる。スプリントのダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)も15日の会見で「iPhone投入で費用がかさんでいるが、2014年から利益成長に転じる」と語った。孫社長も会見の最後にこう応じた。「今が買いだ」。
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