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◯[背景〜被写
体]<[被写
体〜カメラ]
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X[背景〜被写
体]>[被写
体〜カメラ]
画面
の主役は後ろの空間になり、そのまえにキャラがいるという説明画面
になってくる。
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レンズの口径が大きくなればなる程、画面
は映画的にドラマチックになってくる。
レンズの前で展開される世界に近いところにカメラを置くと、そのドラマをみている観客も目の前のスクリーンに写
し出されている出来事が、まるで学芸会の芝居のような気分になって冷めてしまうのである。登場人物の視点から見た映像以外は、出来る限り離れた場所にカメラを設定した絵づくりを心掛けたい。
これは映画の絵づくりの基本である。最近のハリウッドのCGを使ったクソ映画では、やたらとカメラがドラマフィールドに入り込み、それがドラマの作り物感を増幅させている。被写
体から離れたカメラ位置がどれだけ映画づくりにおいて重要な意味をもっているかを知らないバカが多すぎる。
広角レンズで被写体に近付いて撮れば3流AVのようなチープな親近感と普通
ではみられない異様な感じがする。一時的な違和感をもたせるには有効な手段ではある。しかし、王道の演出ができない演出家が小手先のテクとして違和感をもたせて、せめてもの自己主張をするには適しているともいえる。
広角レンズというのは被写体をたたせるのではなく、その状況のなかに被写
体が存在してる‥‥ということを説明する画面
になってしまう。うまい人が広角系の画面
を描けば描く程絵はつまならなくなり、反対に下手な人には、その異様さが下手さをごまかす手段にもなりうる。
広角レンズのパースで“おお、おれ、上手いジャン”って思えるような絵が描けたら「自分は下手なんだ」と認識しよう。