<ダメ絵>撲滅キャンペーン
誰もが知ってるつもりで、実は誰も知らないパースに関するありふれた真実 <その1>
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答え

何故<ダメ絵>は非常によくないのか?

奥行きの圧縮 が 加味されていない。

答えは恐ろしく簡単なのである。
でも、その恐ろしく簡単なこと実行できているアニメーターはほとんどいないのが現実だったりする。


当たり前のことの確認

遠くのものは奥行きが圧縮されて見えてくる。
肉眼で見える足もとにある3メートルのセンターラインは、
100メートル先ではビジュアル的には1cm以下にしか見えない(観測者の目の高さによるけど)。

<ダメ絵>を矯正するパースの基本法則

第1法則
遠くのものほど 側面 は薄く見えてくる。強いては正面 だけのように見えてくる。
第2法則
遠くのものほど 地面 の影は横長に見えてくる強いては線1本に見えてくる。
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<正しい絵>
<ダメ絵>

<ダメ絵>
<正しい絵>

パースにそって線が引かれているだけでは正しい絵にはならないのである。
正しい絵にするためにはそこにある程度以上の奥行きの圧縮が加味される必要があるのだ。

では、<ダメ絵>と広角レンズの絵の違いはなにか?

広角レンズは 奥行きの圧縮率が奥へ行けば行く程強烈になる
<ダメ絵>は奥行きの圧縮がないままただ小さくなる。

<ダメ絵>
<正しい絵>

‥‥そう、<ダメ絵>は広角レンズとしても正しくないのである!

この世の中には無数のマンガがある。その中には、きちんと存在する空間を表現できるひとと、いくら描いても説明のために線を引いたチープな絵にしかならない人がいる。彼等の違いはいったいなんなのか? それこそが、圧縮された空間を描けているかどうかなのだ。さりげなくキャラの後ろに配置された背景のテーブル、食器棚、机、柱、ドア…etc、そこに奥行きの圧縮を加味できて作画出来ているのなら、空気が描けているのである。
少女マンガを見るとその空間はお絵描きの絵であって実存する世界の空気感はない。あれは<奥行きの圧縮>が描かれていないからだ。女性には奥行きを圧縮して絵にする能力に乏しいのかもしれない。

しかし、<ダメ絵>が<ダメ絵>たるゆえんはこれだけではない。もう一つの隠された理由がある。

問い
なぜ奥行きの圧縮感を入れ込まないと自然にみえないのか?

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11/05/2005

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